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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

迪化街ノスタルジー

台北2日目の朝は、迪化街(ディーホアジエ)を歩いた。
河の近くの街で、中国大陸からの移民が水運を利用し栄えた問屋街だ。漢方薬、お茶、乾物、カラスミ、そして布や糸、仕立て屋が多いそうだ。
「なんか、なつかしい雰囲気だね」
歩き始めてすぐに、夫が言った。子どもの頃歩いた神戸は長田の商店街を、思いだしたと言う。わたしはわたしで、やはり子どもの頃に自転車でよく通った東京は板橋のSB通りを思いだしていた。
「このスパイスが混じりあったような匂いで、思い出したのかも」
SB通りにはSBカレーの工場があり、カレーの匂いがする通りだった。
「カレーの匂いがする通りがあるってこと自体が、昭和だね」
「今も、SB通りにはカレーの匂い、するんだろうか」
そんなことをしゃべりながら、様々な店をひやかして歩く。

 

人は、何処へ行ってどんなものを見ても、自分の経験と照らし合わせて、ああ、あれと似てる、あの場所の雰囲気だ、などと思うものなのだなあと、しみじみ考えた。夫が歩いた頃の神戸の街並みを見ることはもうできないし、彼は彼で昭和のSB通りを自転車で駆け抜けることはできない。
そのとき不意に疑問が湧いた。SB通りには、本当にカレーの匂いがしたのだろうか。SB通りだからカレーの匂いがするような気がしただけなんじゃないだろうか。子どもの頃の記憶は、そのくらい曖昧だ。
そんなことをつらつらと考えたのも、迪化街の風情に、えも言われぬなつかしさを感じたからなのだろう。

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昭和の日本を思い起こすような街並み。レトロです。

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縦看板やバイクの多さに、そう感じるのかも知れません。

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おばちゃん、いい味出してるなあ。魚のすり身団子スープのお店。

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お茶屋さんの前を通ると、日本にはないようなお茶の香りがしました。

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アロエが干してある―。漢方薬のお店のようです。

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川に続く道です。水運で栄えた問屋街の雰囲気感じました。

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ドライフルーツやカラスミを売るお店もいっぱい。

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豆もキノコも、牛蒡もゴーヤも、みんな干すんだね。
乾物屋さんです。北海道干貝もありました。

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永楽市場のなかにあった仕立て屋さん。
上に飾られた輪になった小物は、赤ちゃんのよだれかけ。可愛い~。

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生地屋さんや布小物の雑貨屋さんも、ありました。
でもこのお店、すべて made in japan でした(笑)

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とっても素敵な雑貨屋さんが、ありました。
『simple pleasure 簡單喜悅』小さな喜びを大切にって意味かな。
共感する言葉です。日々そういうふうに過ごしたいです。

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PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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