夏休みをとって、夫婦ふたり、台湾は台北(タイペイ)を旅した。
いちばんの楽しみは、何と言っても、食。
「台湾は、食べ物が美味しいよ」
友人知人、口をそろえて言う。食いしん坊で呑み助のふたりだ。食べて飲んで、あとはのんびりできればいい。そんな3泊4日の旅だった。
到着は夕方だったが、夜市を観に行こうとふらり出かけた。
道を歩き、電車に乗るだけでも、日本と違うところが目に入ってくる。今や日本でも英語の看板には違和感がないだけに、漢字の並びが違うのが新鮮に映るのだ。ファミリーマートは「全家」(ファミリーの意味らしい)だし、床屋には「美髪」、レストランには「美食」とかかれている店が多い。街に並ぶ「養生館」は、台湾式足裏マッサージもしてくれるリラクゼーションルームだ。
電車(MRT)に乗ろうと改札をくぐると「→月台」の文字。「月台」は、ホームだ。そしてホームに備えつけられたドアには「小心夾手」とある。「小心」は気をつけてということらしい。電車に乗れば優先席には「博愛座」。
並びは違うけれど、漢字の意味で判るのがおもしろく、またその表現のやわらかさにも魅かれた。「月台」なんていうと月を見上げて感傷にひたりたくなるし、「博愛」の気持ちがあれば、困っている人に席を譲るだろうと思える。
そして「小心」。「心を、小さくかあ」と、妙に納得した。
MRTの切符は、トークン(プラスティックのコイン)だし、信号機には、あと何秒で変わるかが表示されている。街で談笑しつつ歩く人は、みなゆったりと穏やかな雰囲気で笑顔が多い。
そんな小さな違いのひとつひとつを楽しみつつ、最初の夜は過ぎていく。
「この唐辛子の調味料、美味しいねえ。買って帰る?」と、わたし。
「うーん。家で使うとは思えないな。ここの食べ物があるから、美味しいんじゃない?」と、夫。
確かにそうだと思った。ここでしか食べられないものを食べ、ここでしか楽しめない時間を過ごす。それが、旅なのだ。
歩行者用の信号は、青の人型が動いたり消えたり。
その上に、あと何秒で信号が変わるか表示されています。
車用の赤信号の横にも、秒数が。大通りはバイクがいっぱいです。
狭い通りの商店街とのギャップが、おもしろかった。
そしてここも、どんなに狭い道でもバイクが通っていきます。
ポストは赤と緑。赤が遠方や海外便で、緑が市内への郵便用のよう。
ファミリーマートとセブンイレブンが、たくさんありました。
コンビニ内のATMで、カードで換金できて便利でした。
MRTの駅の改札です。パッと見、日本と変わらないようですが、
切符を入れるところはなくトークンをかざすようになっています。
改札を出るときには、投入口へ。ちゃんと回収されます。
これがトークン。何度でも再利用できます。エコな発想です。
日本も見習ったら、いいのでは?
1番線ホームは「一月台」
電車も、あと何秒で来るのか表示されています。
「手を挟まないよう気をつけて」意味はしっかり伝わってきます。
「博愛座」日本でいう「優先席」よりも、なんかいい感じ。
台湾ビールは、ライトでわたし好みでした。
隣りにあるのが、何処にでも置いてあった辣椒醤(ラージャオジャン)。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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