ローマで行きたいところを、いくつかセレクトしていた。
「サン・ベネディット・イン・ピスキヌラ教会」も、「テスタッチョ市場」もそうだ。
そして、”鍵穴をのぞく”のも、そのひとつだった。
「のぞくなら朝がいいって、かいてあった。朝日を浴びて白く光るんだって」
「じゃ、朝行こう」
向かったのは、アヴェンティーノの丘にある「マルタ騎士団の館」へと続く”扉”だ。
小さな鍵穴のなか、ヴァチカンの「サン・ピエトロ大聖堂」がちょうど収まるように見えるというのである。
のぞいてみて、言葉を失った。
サン・ピエトロ大聖堂が、美しく輝いていた。
失ったときに出てくるのは、「なにこれ!」「嘘でしょう!」「すごい!」。全部言った。
次々に現れる観光客も、言葉は違えど同じことを口にしているのがわかる。
そして、みな誰かに言いたくなるようだ。
「見た? 見た?」「これ、すごいよね!」「信じられないよね!」
みなが言葉を超えて、この驚きを伝えたくて周りの人に誰彼かまわず話しかけている。
人の波が過ぎると、ふたたびのぞいてみたくなる。その衝動は抑えられなかった。
そこに、のぞくべき穴がある。これは幸福のひとつなのではないだろうか。
アヴェンティーノは、トラステヴェレとは打って変わって高級住宅街の趣。
マルタ騎士団長の館へ続く、扉。のぞいたときには誰もいなかったのに、次々と観光客が訪れて、穴をのぞくたびに歓声を上げていました。
photo by YasuoMaeda.
鍵穴から見えたヴァチカンの「サン・ピエトロ大聖堂」です。
鍵穴のすぐ近くにある「サンタ・サビーナ教会」。とてもシンプルな祭壇に驚きました。
質素なだけに、美しさが際立っていました。
入口の扉は、現在残る木の扉としては最も古いものだそうです。
『素顔のローマへ』に載っていた名もない顔の水道(?)も。
隣の「サヴェッロ公園」から見たローマの街。「ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂」が見えました。
「サンタ・サビーナ教会」の外観です。正面には車がたくさん停まっていて撮れなかったので。このあと「テスタッチョ市場」へと歩きました。
お久しぶりです。いつもブログに癒やされています。
いいなあ! 私もイタリアまた行ってみたいです。
シチリア島とか行きたいなと思っています。
美しい歴史ある教会が沢山ありますね。
鍵穴から見える聖堂の素晴らしいこと、随分並んでいますね。
顔の水飲み場、風情がありますね。
古い時代にはここでお洗濯などもしていたのかな?
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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