ペルージャからローマに帰り、旅の終わりまでにしたいことを考えた。
「フィオリ・ディ・ズッカと、カルチョーフィ・アッラ・ジュディアを食べたい!」
ということで、もう一度「テスタッチョ市場」へ行くことにした。3度目である。
「フィオリ・ディ・ズッカ」は、ズッキーニの花のフリット。
そして、「カルチョーフィ・アッラ・ジュディア」は、アーティチョークの唐揚げだ。訳すと「ユダヤ風カルチョーフィ」で、ゲットーと呼ばれるユダヤ人街で食べられていたものだそうだ。
ちなみにローマ風カルチョーフィは「カルチョーフィ・アッラ・ロマーナ」で、ハーブを利かせて煮込んだ料理。
むかしフィレンツェを旅したときに「ローマ風」を食べたのだが、美味しいと思えなかった。けれど「テスタッチョ市場」のアランチーニのお店で「ユダヤ風」が「フィオリ・ディ・ズッカ」と並んでいるのを見て、ぜひ食べようと心に決めていたのだった。
夫はまるで興味がないようなので、市場でそれぞれ好きなものを食べるときにちょうどいい。
そのうえ、アランチーニのお店「FOODBOX」のおじさんは、アジア人が印象的だったのか、わたしのことを覚えていてくれて、とても優しく笑って前回オマケをつけてくれた。
そのおじさん、夫の友人でわたしも何度か食事したりしたこともあるMくんにそっくりなものだから、こちらも親しみを感じてにっこり笑っているのが、マスクをしていてもわかったのかもしれない。
ふんわり揚げた「フィオリ・ディ・ズッカ」と、花びらのようなところはかりっかりで真ん中の芯はしっとり、コクとやわらかな苦みを感じる「カルチョーフィ・アッラ・ジュディア」。
今回も、おじさんは小さ目のフィオリ・ディ・ズッカをオマケしてくれた。
グラッツェ。Mくん似のおじさん。
美味しいイタリアグルメを、ありがとう。
「FOODBOX」です。夫はアランチーニをリピートしていました。
「フィオリ・ディ・ズッカ」です。
「カルチョーフィ・アッラ・ジュディア」。どちらも下ごしらえしてあって、オーダーしてから揚げてくれます。
やったー! カルチョーフィの方が、お花みたい。
でも「フィオリ・ディ・ズッカ」は、なかにちゃんとお花が。うっすらズッキーニの味がします。
カルチョーフィの芯は、こんな感じ。周りはチップスのようにかりっかり。
ゲットー(ユダヤ人街)を歩いたときに見た「マルチェッロ劇場」です。
シーザーが建て始めた円形競技場で、アウグストゥスにより紀元前11年頃に完成。
その後、持ち主を何度か変え、要塞や宮殿代わりに使われたとか。コロナまえには館内も見学できたようですが、今は入れませんでした。
近くには「アポロ神殿の円柱」も残っています。紀元前5世紀のものだそうです。
こちらもゲットーの「亀の噴水」。建築家ジャコモ・デッラ・ポルタが設計。ミケランジェロに学んだ建築家なんですって。憩いの場という感じ。
亀さんは4匹同時に盗まれたために、今はレプリカ。オリジナルは、カピトリーノ美術館に保存されているそうです。
☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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