東京から帰ると、明野は新緑が美しかった。
「新緑」は、夏の植物の季語。傍題に「緑さす」「緑夜」などがある。
初夏の若葉のあざやかな緑をいう。緑は、やや季節が深まった様子を思わせる。
『俳句歳時記・夏』より。
新緑といふしづけさと明るさと 稲畑汀子
静けさと明るさは、相容れないようでいて対比ではない。しんとしていて眩しいほどの明るさを持つ新緑というものを讃えている。
『飯田龍太自選自解句集』には、以下の句があった。
子の皿に盬(しお)ふる音もみどりの夜 龍太
いかにも君の俳句らしいと、俳友にいわれたというこの句の背景には、こんなイメージがある。
この季節になると、時鳥(ほととぎす)が遠近で鳴く。その間を縫って夜鷹が乾いた木片を叩くように鳴く。時には郭公(かっこう)の声もきかれる。外はおそらく水のような月明であろうと思う。静かな山狭では、物の音があればあるほど静けさが深まるのだ。皿に散る食塩のかすかな音もそのひとつであった。
17音に込められたものの広がりを、深さを感じる。「緑夜」という季語を知らなかっただけに、とても新鮮に映った。

ベランダから見た八ヶ岳連峰。

広角設定にすると、こんな感じ。

ベランダから見た南アルプス連峰。

広角設定バージョン。

ゴミを出したついでに定点観測地点へ。

ここから見たら、新緑という雰囲気じゃありませんでした。

同じく南アルプス連峰。御田植えはまだ先だもんね。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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