「冴返る(さえかへる)」は、初春の時候の季語。
雪が降った翌日の冷え込みの厳しさは、まさにこの冬一番だった。
傍題に「凍返る(いてかへる)」「寒戻る」などがある。
立春を過ぎ暖かくなりかけたころに寒さが戻ることをいう。再びの寒気で心身の澄み渡るような感覚が呼び覚まされる。冬の寒気が透徹した状態を「冴ゆ」。それが再び返るのが「冴返る」である。
『俳句歳時記・春』より。
冴え返るとは取り落すものの音 石田勝彦
音。五感の「聴」にスポットを当てた句。何気ない瞬間の音の響きを捉えている。
冴え返る土にこたへて下駄の音 島田青峰
同じく「聴」の句だが、「下駄の音」が耳に残る。「土にこたへて」が、人と大自然との対話を生み、季語が立つ。
冴えかへるもののひとつに夜の鼻 加藤楸邨
五感でいうと「触」だろうか。「夜の鼻」が冷たくなっていると感じたことがない人はいないはずだ。
歯の腫れて来て冴返る日なりけり 久保田万太郎
これも「触」。痛み「痛覚」も触感に含まれる。
冴え返るある日の恥をありありと 野澤節子
記憶を呼び覚ますときに、脳がいやに冴えている瞬間がある。そんな共感をした。恥となればなおさらだろう。
冴え返る枝もふるへて猿すべり 芥川龍之介
冴え返る身にしみじみとほつき貝
魚の目を箸でつつくや冴返る
山峡の杉冴え返る谺(こだま)かな
芥川龍之介が詠んだ季語「冴返る」の句が、いくつかヒットした。取り合わせの句が多いなか、山峡の「杉冴え返る谺」が、個人的には好きだった。
今週は、中頃から春らしい陽気になると気象予報士が言っていた。じつは家のなかでもヒートテックを3枚重ねて着ているのだが、一枚脱げるだろうか。

おでんの大根を買いに、朝9時、あけの農さん物直売所へ向かいました。

富士山が綺麗だな~と思っていたら。

おおーっ! 北アルプスがこんなにくっきり見えるのは、珍しい。

北にそびえる八ヶ岳と、西の南アルプス連峰との狭間に、ここ明野からもたまに見えるんです。

南アルプス連峰は、まさに、冴返る感じ。

週末の雪で、雪化粧が増していました。

広角モードにすると、パノラマ写真のように写ります。

振り向くと富士山が。あけの農さん物直売所まえの広場は、初日の出を見に来る人が多いスポットです。

帰り道、ワイン用の葡萄畑の横を通って。八ヶ岳連峰、やはり冴返っていました。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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