鳥たちの囀(さえずり)が、日々にぎやかに聞かれるようになった。
「囀」は、三春の動物の季語。
繁殖期の鳥の雄の縄張り宣言と雌への呼びかけを兼ねた鳴き声をさし、地鳴きとは区別している。早春から晩春にかけて、鶯(うぐいす)、雲雀(ひばり)、目白、頬白、四十雀などさまざまな鳥の声を聞くことができる。
『俳句歳時記・春』より。
囀をこぼさじと抱く大樹かな 星野立子
大きな木の無数の枝には、無数の鳥たちがいて、囀っている。一羽たりとも枝からこぼさぬように支えている、大樹の鳥たちへの愛情が感じられる。
囀や寝転ぶによき草の丈 馬場公江
寝転がって囀りを聴いている景が、すっと浮かんだ。顔に囀りが降ってきて、背や肩には草があたるのを感じる。
囀に色あらば今瑠璃色に 西村和子
瑠璃色は、ラピスラズリの色。紫がかったブルーは、たぶん透き通っている。
万華鏡廻すごとくに囀れり 岡田日郎
とても惹かれた句。瑠璃色の句もそうだが、囀りの美しさを視覚に例え、訴えている。
さへづりや寝かせて量る赤ん坊 鶴岡加苗
暮しのなかで聴く囀りを描いた句。赤ん坊の成長、命の重みと囀りがリンクする。
今耳にしている囀りも、小さな鳥の命あってこそのもの。芽吹いていく木の芽も草も、春の野には命の息吹があふれかえっている。

鳥たちの写真は撮れなかったので、芽吹き始めた木々の上枝(ほつえ)を。

赤いハナミズキも、咲き始めました。

白いハナミズキも。

辛夷は、花をほぼ終えて葉がやわらかく伸びてきました。

菫はまだまだ、あちらこちらに。夫が栽培している椎茸の脇にも。

庭から見た北側の風景。夕刻の八ヶ岳です。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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