俳句の里境川「龍太を語る会」の講演を聴きに行くのも、3回目となる。
去年は、句会でお世話になっている井上康明先生。一昨年は、長谷川櫂氏だった。
今回は俳人小澤實氏の「龍太氏との句会の思い出」。
36年前に、龍太の暮らす山廬で始まり、翌日は富士河口湖町の天下茶屋へ場所を移して2日間にわたり行われた句会の様子を、ユーモアを交えて話された。
句会はそれぞれが提案した兼題から詠む「題詠」で、いちばん良いと思った句と同時に、もっとも劣った句を選ぶ「逆選」もあり、そのどちらにも否定的だった龍太が、始めてみれば「いやー、面白いね」「結果が気になっておちおち席も外せないよ」と句会方式が楽しくてしょうがないといった様子だったこと。
百千鳥雌蕊雄蕊(めしべおしべ)を囃すなり 龍太
この句を自分で出しておいて、自句だと名乗るまえには「百千鳥がちょっととってつけたような感じだね」「惜しいねえ」とわざわざ発言してみたり。
小澤實氏の様子は、龍太と交流した時間をなつかしむような、まるでとっておきの大切な思い出をそっと差し出すような雰囲気で、数々の笑いのなかにも心温まるものが感じられた。
内容は、小林恭二著『俳句という遊び――句会の空間』に収められていて、読み返し、記憶が蘇ったそうだ。
最後に、小澤實選の「飯田龍太二十句」から、いくつかの解説を聴くことができた。
一月の川一月の谷の中 龍太
なぜ一月なのか、二月や三月でもよいのではないかという質問に、答えて。
「一月には、新しい年を迎え新しく始められる悦びが込められている。当たり前にそこにある風景も”一月”とすることで神々しさが生まれる」
なにはともあれ山に雨山は春 龍太
「冬、風邪をひくことが多かった龍太にとって、春は特別待ち遠しいものだったのではないか。春を迎える悦びの深さがとてもよく表れている」
などなど。俳句でしか知らなかった龍太の人間的な、そしてチャーミングな側面を知ることができ、そして俳句の”遊び”としての楽しさを覗かせてもらった。

講演会の案内です。

句会の仲間とランチしてから、講演会を聴きに行きました。

笛吹市の「心音KITCHEN (ココネキッチン)」で、ハンバーグセット。

甘さ控えめのスコーンを、珈琲と一緒に出してくれました。

おかわりに紅茶をオーダーして、おしゃべりに花を咲かせました。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。