庭のタチツボスミレが、満開だ。
「菫(すみれ)」は、春の植物の季語。
「菫草」「花菫」「壺菫」「三色菫」「パンジー」「紫花地丁」「一夜草」「一葉草」「ふたば草」「姫すみれ」のほか「相撲取草(すもうとりぐさ)」「相撲花」が傍題にある。
鍵状の花をたがいに引っかけて勝負する遊びが、昔の子供たちのあいだでは行われていたようだ。身近な暮らしに根づいた花だったのだろう。
菫程な小さき人に生まれたし 夏目漱石
菫の句で、いちばん好きな句。夏目漱石さん、ロマンチストだったんだな。
かたまって薄き光の菫かな 渡辺水巴
"薄き光"というのに、いつも見ているタチツボスミレの様子がぴたりと当てはまった。よくよく観察していなければ詠めない句だ。
吹かるるや塚の上なるつぼ菫 芥川龍之介
"つぼ菫"は、タチツボスミレのことだろう。塚に咲き乱れ、けっこう強めの風に吹かれている生命力あふれるスミレの姿が目に浮かんだ。
可憐な側面からも、強く根を伸ばし種を飛ばし種を残していく側面からも、見る人見るときによって、違う花のように詠める。菫は特別な花だ。

薄い紫のタチツボスミレは、透き通っているみたいにも見えて、どこか妖精っぽい。

可憐でありながら、こんなところにも咲く強さを持っています。

森にも咲いています。

濃い紫の子も、可愛い。

たぶん「ニオイタチツボスミレ」だと思います。

こちらは、道端のタチツボじゃないスミレ。

甘利山で、以前見つけたエゾタチツボスミレ。白も清楚ですね。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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