誕生日に、上の娘からプレゼントが届いた。
ブルーの包みにイエローのリボン。包みは平たい。
開けてみると『家庭で作れるポルトガル料理』。料理本だ。ポルトガルへ旅すると知り、贈ってくれたのだろう。うれしい。
これから行くのに料理ブック? と疑問にも思いつつ本を開く。
しかし料理ブックだが、市場の写真やポルトガルの暮らしなどがエッセイ風に綴られていた。
干し鱈がポルトガル料理には欠かせず、365日食べられるよう365種類の干し鱈料理があることや、それがもとはバイキングの保存食だったこと。
「海のクリーム」と呼ばれる美味しい塩を作るネクトン社の塩田が広がり、粒の粗いものは「サル・グロッソ」、大きな結晶は「フルール・デ・サル(塩の花)」と呼ばれていること。
リゾットなどの米料理の種類が豊富で、エメラルドグリーンの海沿いにある田園が深い青をしていること。
カステラ、ボーロ、金平糖、カルメラ、鶏卵素麺、ビスケットなどがポルトガル語由来で、クリスマスには、まるで日本の御節のように部屋の一角のデザートボードに並べること。
料理にはその土地の暮らしを知るヒントが数多く隠されている。料理ブックもまた然り。ガイドブックを見ても鍋なのか煮込みなのかよくわからなかった「カタプラーナ」も、材料や作り方を見たらぐんと身近な料理に思えてきた。
娘に感謝し、夫とふたりポルトガルへと旅立ったのだった。
平たいなあ。何だろう?
ポルトガル料理の本でした。
カタプラーナって、こういう形のお鍋の名前だったんだね。
「石のソッパ」もありました。
☆明日からポルトガルの旅レポ、始めます。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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