大粒の枇杷をいただいた。
剥いてみると、実は締まっているがやわらかく甘味が濃い。
「子どもの頃、近所に生ってる枇杷、食べたなあ」
夫がなつかしく思い出すように言うので、
「わたしも」
と応えた。
神戸育ちの夫も、東京育ちのわたしも、同じように子どもの頃、枇杷を食べていた。昭和なエピソードだ。
枇杷は身体にいいと、母に聞いたことも覚えている。
調べれば、枇杷は葉も種も生薬に使われているという。胃腸薬や高血圧予防、アレルギー改善などなど。しかし種や、まだ青い枇杷の実を摂りすぎると健康を害するケースもあるらしい。
『植物にはなぜ毒があるのか』という本の書評を新聞で読んだ。
水仙や彼岸花には毒があるが、アルツハイマー病などに効果的な成分も含まれているとあり、こうかかれていた。
それが毒か薬かは、ヒトをはじめとする生き物次第であり、植物たちにとってはあずかり知らぬ話なのだ。あまたの物質を生み出す植物の、自然の力に感心させられる。
枇杷に限らず、木々たちが先っぽに滴るように瑞々しい実をつけること自体、不思議なことである。
見た目よりもずしりと重い枇杷でした。瑞々しいからでしょう。
朝食後に、さっそくひとつずつ。
おもしろいように、するする剥けました。
きれいに剥けた~♩
種がまた、大きくて艶やかできれいですね。いくつかお水に漬けてみているけど、芽が出るかな?
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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