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益子ひとり旅〈3〉茶碗とマグカップ

益子へ向かいつつ、断捨離しなくてはならないお年頃の自分に言い聞かせるように、決めていた。

ターゲットは、3つだけ。

ずっと探し続けていた時計と、最近気に入ったものになかなか出会えないタオルハンカチ。そして、茶碗だ。茶碗は、わたしが使う小ぶりのもの。

時計とハンカチは、わりとすんなり見つかった。しかし茶碗は、難しい。

 

大きさは重要だし、もちろん値段との折り合いも大切だ。

20以上の陶器屋を見たなかで、1日目にいいなと思った茶碗は、ひとつだけだった。それでも1日おいてもう一度足を運ぶことにした。

そんな翌朝の、ペンションの朝食で。

「それ、知床窯さんのカップですか?」

前日の夜に気に入った茶碗があった店「知床窯」のInstagramを見て、そのマグカップに惹かれていた。

カップは、隣に座ったアメリカ人女性に出されたものだったが、ひと目見て、あのカップだとわかったのだった。

「そうそう。知床窯さん、行かれたの?」

「はい。気に入ったお茶碗があって、今日また行こうかと思っていて」

実際に使っているのを見て、マグカップに惹かれる気持ちは上昇していった。とても落ち着いて、堂々としているように見えたのだ。

 

ペンションでの偶然と、知床窯のオーナーのていねいな対応(同じタイプの茶碗とマグをいくつも見せてくれた)もあり、深い藍の天目茶碗と黒粉引きのマグカップを持ち帰ることにした。人の縁と、モノとの縁の妙を感じる出来事だった。

ペンション「森のガーデン益子」の朝食風景。わたしと、70代のアメリカ人ご夫婦の2組だけでした。

地元の野菜を使ったスープが、おいしかった。

ペンションの2階の部屋から。前の建物は、はなれのお風呂場。ヒノキ風呂で、ゆっくり温まりました。

2日間足を運んだ「知床窯」。

連れて帰ってきた天目茶碗と、黒粉引きのマグカップ。

テーブルに置いたときの安定感が、決め手になりました。

光が当たると天目の模様が浮き出る感じが、とても好き。

毎朝のご飯に。大きさもちょうどよく、うれしいです。

COMMENT

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  1. hanamomo より:

    おはようございます。
    秋晴れです、これだけで北国人はテンションが上がります。

    まあ、私もほれぼれしました。
    断捨離というけれど、こういう使って心が豊かになるものは取り入れるがいいですよね。
    粉引きのカップも天目のお茶碗もとてもいい色と形、質感もいいですね。
    実際に見たらもっといいに決まっています。

    旅をして、こんないいものに巡り合えるのって今の年齢だからこそですね。
    秋の珈琲、美味しいだろうな~。
    お母さまもお元気だったようでよかったですね。
    ほっとしたさえさんのお気持ちがよくわかります。

  2. さえ より:

    >hanamomoさん
    おはようございます。
    今日はこちらは朝から雨です。来週は、秋晴れかな。
    断捨離は、していかなくてはなりませんね。でも、そうなんです。心が豊かになるもの。大切ですよね。
    器は、特に焼き物は大好きなので、益子を旅することができて、気に入ったものを手に取ることができて、ほんとうによかったです。
    母も、とても元気でした。向こうで頼まれた大きさのトートバッグを見つけられなかったので、山梨に帰ってきてから送ると、それもまた気に入ったようで、喜んでいました。欲しいものがある、こうしたいと思うことがあるのは、90代の母にとっては大切なことなのだと思います。
    ありがとうございます。

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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