「雪の花」が咲いていると聞き、町内の茅ヶ岳登山道入口辺りの林を歩いた。
植物についた水分が凍り、花のように見えるという。つまり、花といってもそれ自体は植物ではなく、霜のようなものらしい。
残念ながら、雪の花は見つからなかった。
その「雪の花」という名も、知人がそう呼んでいるだけのものかも知れず、調べてもヒットしない。
気象の写真図鑑のような『空の名前』の「氷の章」を開いたが、やはりなかった。
しかし、「霜」のページには、数多くの名が並んでいた。
「霜柱」のほか、霜・雪を降らせるという女神で、霜の異称「青女」、心耳でとらえた霜夜の気配「霜の声」は季語として歳時記にも載っていたが、ほかにも多数知らない名があった。
氷の結晶となった霜の美しさを表す「三つの花」「さわこひめ」、まだらに置いた霜を「はだれ霜」、一面に置いたものを「霜だたみ」。
高所から低所へ流れるように霜が降りる「霜道」、窪んだ霜が降りやすい場所を「霜穴」「冷気湖」。陽が昇り溶け始めた水分の多い霜を「露霜」「水霜」。
そして、羽のような髭のようなかたちになる「霜華(しもばな)」。
本にはなかったが、英語では「フロストフラワー」と呼ばれていると、大自然を特集した年末のテレビで阿寒湖の様子が映し出されていた。
極寒の環境下で、空気中の水蒸気が湖面や植物の茎などにつき、凍結してできる氷の結晶模様のことだそうだ。たぶんそれを、知人は「雪の花」と呼んでいるのだ。
来年は、雪の花、見られるだろうか。すぐに新しい年になる。

寒かったけど、冬木立は冬日を浴びて、長い影を伸ばしていました。

松葉が落ちた地面を押し上げるように、霜が長く伸びています。

霜柱なんだけど、かたちがそれぞれ。

針のように先が尖っているものもあれば。

くるんとカーブしていたり。

氷なんですよね、これ。

話に聞いていた雪の花は、この辺りに咲いていたと思われます。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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