NHK学園主催の「令和五年度 秋の俳句大会」に投句し、初めて秀作に選んでいただいた。投句は3回目だ。
4名の選者が、それぞれ特選3作、秀作25作、佳作約174作を選出する。選んでくださったのは、津高里永子先生。
ぐい呑みの小さき水平秋深し
心、水平であれ。
それはずっと、わたしという人間を構成する芯の部分にあるもので、ペンネームに「水」の字を使ったのも、水というものが地球というこの場所では、常に水平、フラットなものであるからだ。入れ物が大きかろうが小さかろうが、水はその場所で水平を保つ。
そんな「水」のような平らかな心でありたいと、常々から思ってきた。
ずっと大切にしてきた思いを詠んだ句で秀作をいただき、とてもうれしかった。
時候の季語「秋深し」は、傍題に「深秋(しんしゅう)」がある。
あまりにも有名なこの句は、知っていた。
秋深き隣は何をする人ぞ 芭蕉
晩秋、自分の孤独を隣人に重ね、秋の人恋しさを表現した句だという。
秋深し締めそびれたる鶏を飼ひ 遠山陽子
深まる秋。もの思う秋。もの淋しさを覚える秋。
映像を持たない「時候の季語」に、どんな映像を置くか、『俳句歳時記・秋』の例句をひとつひとつ味わった。
秀作は、のべ100句もあるので、賞状が送られてきて驚きました。
大切に、部屋に飾りました。長く書道を続けてきた友人に話すと、書にしてくれるとのこと。楽しみです。
ぐい呑みはたくさんありますが、5つ選んでみました。左2つは、夫の誕生日やクリスマスにわたしがプレゼントしたもの。その右2つは、夫が選んで購入したもの、右端は、旅先でふたりで購入したものです。
この黒織部のぐい呑みのイメージで、詠みました。
釣りをしている男が描かれた九谷風のぐい呑みも、いつか詠みたいと思っていますが、釣り人は知らん顔。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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