今そこここに、セイタカアワダチソウがくすんだ黄色を揺らしている。
『俳句歳時記・秋』を開いたが、載っていなかった。ネットで調べると秋の季語なのだが、俳句もヒットしない。
ということで、季語「秋草(あきくさ)」を調べてみた。傍題は、「秋の草」「色草」「千草」「八千草」など。
秋の七草をはじめ、秋に咲くさまざまな花のこと。吾亦紅(われもこう)、刈萱(かるかや)、竜胆(りんどう)など姿が美しいばかりではなく、ゆかしい名前を持つものも多い。それらを総称して秋草という。
『俳句歳時記・秋』より。
籠あふれつつ秋草の影淡き 渡邊千枝子
どこかぼんやりした印象が、秋草にはあるのかもしれない。影が薄いのではなく「淡き」に惹かれた句。
淋しきがゆゑにまた色草といふ 富安風生
「秋の色とりどりの草」という意味を持つ「色草」。秋のもの淋しさに揺れるカラフルとは違った色合いの野の草花を思い浮かべた。
また「草の花」も秋の植物の季語。
秋の野には、名も知れぬ草まで様々な花を付ける。紫・青などの淡い色のものが多く、ひっそりとした美しさがある。
「秋の草」との違いも載っていた。
名もない草や雑草の花を思わせるところである。
「秋の草」の方が秋の七草や竜胆など名の知れた花で、「草の花」は名も知れぬ雑草の花。一読しただけではわかりにくい季語だ。
草いろいろおのおの花の手柄かな 芭蕉
「いろいろ」と「おのおの」を重ねるか。その上「花の手柄」と来た。
死ぬときは箸置くやうに草の花 小川軽舟
草の花のように、そっと、ふうわり、密やかに。箸を置くのだろうか。
ほかに、「草の穂」「草の実」などの季語もある。
足もとの静かな草花に、秋の深まりを思う頃である。
買い物帰りにいつもの道で。セイタカアワダチソウが群生しています。
よく見ると、小さな花がいっぱい。種もたくさんこぼれるわけだ。
犬蓼も、あちらこちらに。
可愛いよね~季語は「赤のまんま」です。
きのふの子けふはもう来ず赤のまま 守屋明俊
回り道して眺めた八ヶ岳連峰。
これも、絹雲なのかな?
西には、南アルプス連峰。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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