入選の通知を受けとり、「都留市ふれあい全国俳句大会」に参加した。
松尾芭蕉ゆかりの地である都留市で毎年開催されているこの俳句大会も、今年で31回目だそうだ。
俳句大会は、以下の流れで行われた。
①10:30 席題発表「蝸牛」「噴水」(当日投句〆切り12:30)
②12:30 応募作品入賞者発表、表彰、選評
③14:00 小澤實先生講演「龍太・蛇笏・芭蕉」
④15:45 当日投句入賞者発表、表彰、選評
〈一般の部〉は、7俳人の選者(稲畑廣太郎、井上康明、小澤 實、片山由美子、高野ムツオ、西村和子、星野高士*敬称略)が正賞(1句)准賞(5句)入選(30句)を選ぶ。そのなかから、特選8句が選ばれた。
特選に入賞した8句のなかで、いちばん好きだった句は、こちら。
伝へたき言葉を芯に石礫 坂口和代さん
笑いながら雪合戦をする少年少女にも、心のなかに伝えたい言葉がある。そんなシーンを詠んでいた。
高野ムツオ先生に選んでいただいたわたしの入選句は、こちら。
地上から二センチの空冬の蝶
冬の庭で八ヶ岳を見ていると、中腹に細くたなびくように雲がかかっていた。山かつらという霧から発生する雲だ。
ああ、人が歩く場所でも雲が生まれるのだと、歩き始め、足を上げた瞬間、地上から二センチのここも、空なのだと思えた。冬の蝶は、低く低く飛んでいるではないかと。
講演会では、芭蕉忍者説や、自然のものに魂が宿るアニミズムが3俳人のなかに強く息づいていたのではないかということ、生と死を表裏一体として見つめた蛇笏、龍太などなど、とても興味深かった。
また、初めての当日投句は非常に難しく、時間制限のあるなかで俳句を詠むことは至難の業なのだと知った。
そして、〈高校生・大学生の部〉に入選した若者たちの真剣な眼差しに刺激を受けた。
そんなふうに俳句にどっぷり浸かった1日。鈍行列車で行った都留は少し遠かったけれど、初めて体験することばかりの楽しい俳句大会となった。
JR富士急行線の「谷村町駅」は、可愛らしい無人駅でした。
富士急行線、初めて乗ったけど外国人だらけでびっくり。
会場は、都留市まちづくり交流センター。
すぐ近くにある芭蕉が滞在したという「桃林軒」で、お茶をいただきました。
久しぶりの柏餅。なんと、俳句大会出席者には、お茶もお菓子も無料で振る舞われていました。
お抹茶。木陰は涼しく、気持ちが開放されていきました。
「桃林軒」には芭蕉の句碑が2つありました。
深川の松も泣くらむ 雪の梅 芭蕉
夏馬の遅行我を絵に看る心哉 芭蕉
変手ぬるく滝凋ム滝 糜塒
糜塒(びじ)は、芭蕉が江戸の大火で焼き出されたとき、ここ谷村で師である芭蕉を受け入れ、手厚いもてなしをしたといわれる俳人。
芭蕉にとって、都留の谷村で過ごした日々は大切な何かを残したのでしょう。
都留市には、芭蕉の句碑が12基あるそうです。
近くの「仲町台神社」にお参りをして、隣の公園のベンチで当日投句を詠みましたが、very hardでした。ここで同じようなことを考えていて、こんな句が詠みたかったと思った特別賞の句は、こちら。
噴水の秀(ほ)を極めては力抜く 平野暢行さん
さえさん、またまた入賞されたのですね。
おめでとうございます。
あの高野ムツオ先生に選ばれたなんてすごいの一言です。
高野先生って東北出身ではなかったかな?
地上から2センチの空、本当にそうですね。
冬の蝶の目線で読んだ素晴らしい句です。
都留市 山梨だったのですね。
都留文科大がありますよね。
かわいらしい駅舎ですね。行ってみたいな~。
柏餅も美味しそう♪
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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