週末、雲ひとつない秋の空が広がった。山々の手前には、稲刈り跡の田んぼが広がっている。
「刈田」は、秋の地理の季語。晩秋の季語だ。傍題に「刈田道」「刈田原」などがある。
稲を刈ったあとの田。にわかに広々として、一面、刈株が並ぶ。物寂しさとともに、開放感がある。
『俳句歳時記・秋』より。
刈株という言葉も、初めて知った。
いちまいの刈田となりてただ日なた 長谷川素逝
まさに「ただ日なた」である。
ごつごつと刈田を猫の渡りけり 日原傳
猫が渡ったら、肉球が痛そうだ。「ごつごつ」がそれを言い得ている。
また稲刈りが終わったあとの刈株に伸びる細い茎を「穭田(ひつぢだ)」といい、これも同じく秋の地理の季語だそうだ。
穭田や雲の茜が水にあり 森澄雄
夕焼けが、穭田の水たまりに映っているのだろうか。物寂しさを誘う風景。
ひつぢ田の案山子もあちらこちらむき 蕪村
もう用済みの案山子。ぞんざいに扱われ可哀想な気もするが、愛嬌があるようにも感じる。案山子の独特さゆえだろう。
稲が実れば、稲刈りをする。稲がなくなる。すると、そこには今までなかった空間が広がる。あるのは、物寂しさと解放感だ。
これまでそんなふうに考えたことは、なかった。俳句って、おもしろい。

定点観測地点から見た八ヶ岳連峰。穭田が、伸びていますね。

朝は、雲に隠れていたんだけど、空じゅうの雲、いったいどこへ行ったのか。

西にスクロールすると、南アルプス連峰が見えます。

刈田も広がって。

左から鳳凰三山、アサヨ峰、甲斐駒ヶ岳。山の名前を知りたい方は、こちら。

北杜市明野町浅尾の「浅尾工区完成記念碑」がある場所です。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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