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はりねずみが眠るとき

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卯の花・忍冬~夏の季語

庭で、梅花空木(ばいかうつぎ)が白い花を咲かせている。

「卯の花」が夏の植物の季語で、「空木の花」「花うつぎ」「山うつぎ」「姫うつぎ」「卯の花垣」などの傍題がある。

卯の花といえば、おからの和え物だと思っていたが、特派員を始めて滝の取材で様々な植物を目にする機会が増え、知った初夏の花だ。

卯の花の絶え間たたかん闇の門  去来

暗闇のなか訪ねた家の門の辺りには卯の花が咲き乱れていて、どこを叩けば良いものか思案しているさまを詠んだそうだ。卯の花の白と濃い闇のコントラストが印象的だ。

よく濡れるものに空あり花卯ッ木  八田木枯

卯の花を見ていたら、雨が降ってきたのだろうか。よく濡れるもの=空という発想にインパクトを感じる句。

 

今そこここに咲いているスイカズラは、白い花を咲かせ、それがやがて黄色くなり白と黄を同時に咲かせる「金銀花」と呼ばれることは知っていた。だが、漢字で「忍冬」とかくとは知らなかった。

「忍冬の花」も、夏の植物の季語。「忍冬」「忍冬(にんどう)」「金銀花」などの傍題がある。

呼べばすぐふりむくひとやすひかづら  桂信子

スイカズラは、蔓を伸ばしどこででも強く咲く。美しいというよりは、個性的な花のかたちだ。そして、花の色を変えていく。そんな性質を「呼べばすぐ振り向く人」に共通するようなところがある、と詠んでいるのだろうか。おもしろい。

月光の昨夜のしずく金銀花  橋本榮治

夕べの月の光がしずくを落として咲かせた、金銀の花。美しい句。

 

それぞれの花が持つ雰囲気や性質などを見極め、取り合わせるものを熟慮し考え抜いて、カチッとパズルのピースがはまったときのように寸分の狂いなく組み合わせていく。ふたつの花の句を味わって、俳句ってこういうものかも、とちょっと難しく考えた。

2年前に植えたばかりの、まだ若い梅花空木です。

白い花を撮るのは、むずかしい。すずらんの森でも実感しました。

初夏の白い花、可憐ですね~

スイカズラ。白い花を咲かせて、それから色を変えていきます。

白と黄色のスイカズラの花たち。

黄色い花が多くなってきたところも、ありました。

COMMENT

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  1. hanamomo より:

    スイカズラ、つきぬき忍冬ともいわれます。
    窓を開けると甘い香りが私の席にも届きます。
    お隣のフェンスに絡まって咲き始めました。
    黄色になるので、白と対比させて金銀草と呼ばれるようですね。

    呼べばすぐふりむくひとやすひかづら  桂信子

    桂さんの観察眼はすごいな~。
    スイカズラの花の形、個性的ですよね。

    卯の花、きれいですね。
    おからが食べたくなりました。
    母の作るおからにはあさりが入っていました。
    貝から出るだしが美味しくて、お代わりして食べました。

  2. さえ より:

    >hanamomoさん
    つきぬけ、調べてみました。なるほどです。花の名前も、呼び名にも、昔の人の知恵や植物を愛する、愛でる様子などを垣間見た気がしますね。
    お隣とのフェンスに。スイカズラならうれしいですね。
    卯の花、2本植えて1本だけ生き残っています。大切にしたい樹です。
    おからに、あさり! なんとも美味しそう♡
    身体にも、よさそうですね(^_-)-☆

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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