今年も今日でおしまい。大晦日である。
「大晦日」は、冬の時候の季語。傍題に「大三十日(おおみそか)」「大年(おおとし)(おおどし)」「大つごもり」「除日(ぢょじつ)」などがある。
父祖の地に闇のしづまる大晦日 蛇笏
大晦日の闇は、特別に濃いのだろうか。先月、吟行に出かけた蛇笏の生家「山廬」を思った。
大晦日定めなき世の定めかな 西鶴
大晦日の句のなかでも、もっとも有名な句のひとつ。何が起こるかわからない世のなかだが、今年も大晦日は決められたようにやって来た、という心持ちか。
吹き晴れし大つもごりの空の紺 星野立子
風に吹かれ雲も消えていった。晴れ渡った大晦日の空の色は、深い紺色にも見える。心の迷いも、年越しと共に消えていくような鑑賞をした。
韋駄天の後姿や大三十日 日野草城
足の速い神、韋駄天。せわしなく過ぎていった12月ももう大晦日となり、韋駄天は後ろ姿しか見えなくなった。ユーモラスでクスッとさせられる。
10日ほど前にブログにかいた「年の暮」でも、新たにおもしろい句を見つけた。
人間を笑ふが如し年の暮 子規
また、「除夜の鐘」は、冬の行事の季語。
山国の闇動き出す除夜の鐘 鷹羽狩行
「闇動き出す」。除夜の鐘に誘われ、まさに闇が動き出すように感じた。
新しい年が、どうぞ良い年になりますように。今年もおつきあいいただき、ありがとうございました。

11月に吟行会をした、飯田蛇笏、龍太の生家「山廬」です。露出オーバーになるほどの冬晴れでした。紹介しそびれたので、写真を。

干し柿や、明野の浅尾大根も干してありました。

くろがねの 秋の風鈴 鳴りにけり 蛇笏
この句に由来のある風鈴も、風に揺れていました。

万両の実が鮮やか。

後山には、茶の花が咲いていました。初めて見る可愛らしい花でした。

後山を登り切ったところからは、南アルプス連峰が。白根三山も見えました。

八ヶ岳と茅ヶ岳が、寄り添うように見えていました。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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