山々の輪郭が、くっきり見える日が増えてきた。秋である。
「秋の山」は、秋の地理の季語。傍題に「秋山(あきやま)」「秋山(しゅうざん)」「秋嶺(しゅうれい)」「秋の峰」などがある。
秋の山一つ一つに夕哉 一茶
一茶が43歳のとき、信濃と江戸を往来していた頃に詠んだ句だそうだ。山梨のここから見る山々と、信濃なら似通った風景もあったに違いない。
信濃路やどこ迄つゞく秋の山 正岡子規
子規も、信濃の山々を詠んでいた。どこまでも続く山々に圧倒されていた様子が読みとれる。
日の射せば襞をたゝみぬ秋の山 稲畑汀子
日が射したときと、曇った空の下とでは、山の見え方が違う。あたかも山々が自ら襞をたたんだかのような言い回しに惹かれた。
秋の山には、「山粧(やまよそお)ふ」という季語もある。
春「山笑う」夏「山滴る」秋「山粧ふ」冬「山眠る」。
この季語は画論『臥遊録』からとられたと『俳句歳時記』にあった。
春山淡冶にして笑うが如く、夏山蒼翠にして滴るが如く、秋山明浄にして粧うが如く、冬山惨淡として眠るが如し
一茶や子規の句のように、近隣の風景を身近に感じた句が、こちら。
客二人駅員ひとり山粧ふ 若林杜紀子
まだ9月の山は粧っているようには見えないが、これから物言わず変化していくのだろう。

久しぶりに、定点観測地点へ行きました。

雲と戯れる八ヶ岳連峰。

左から「阿弥陀岳」「中岳」そして最高峰「赤岳」「横岳」「硫黄岳」。

左から「編笠山」「権現岳」「阿弥陀岳」。

西を向くと南アルプス連峰。

鳳凰三山は、雲に隠れていました。

「アサヨ峰」「甲斐駒ヶ岳」。

雲は、刻々とかたちを変えていました。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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