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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

能登のいしり

4月に旅した能登で、”いしり”を買った。奥能登名物の魚醬だ。

それを使い、一度いしり鍋をしたのだが、おいしかったのだが、そのまま冷蔵庫のドアポケットに入れたまま忘れてしまっていた。

珍しい調味料の宿命というか、冷蔵庫のブラックホールというか、そのまま忘れてしまったのだ。

 

奥能登地方に古くから伝わる”いしり”は、イカの内臓を使った魚醤。秋田のしょっつる、香川のいかなご醤油と並ぶ日本三大魚醤のうちの1つだそうだ。

能登には、”いしる”と呼ばれる鯖や鰯を原料にした魚醬もあり、たいていは”いしり”と”いしる”2本並んで売っていた。

ナンプラーや、ほかの魚醬は魚が原料になっているのがほとんどなので、イカの”いしり”を選び、買ってきたのである。

 

夫が冷蔵庫で見かけ、冷奴にかけてみよう、ということになった。

これが、醤油をかけたのとはまったく違う味になり、珍味的な風味になった。

また、何度もリピートしているトマトとパクチーのサラダに、ナンプラーの代わりに使ってみた。これまた、違った味わいになるのがおもしろい。

こんなふうに気軽に使えるのなら、この夏きっちり使い切れそうだ。

 

冷蔵庫のブラックホール。人は、目に見えないものは忘れがちだ。春に旅したばかりなのに、奥能登の被災地の目に焼きつけた映像を日に日に忘れていく自分を見た気がした。

”いしり”を使うたび、味わうたびに、静かに能登を思い出している。

能登から帰ってすぐに作った「いしり鍋」。すでに忘れたけど(笑)いろいろ入ってる!

冷奴に、いつもの茗荷と生姜の薬味をのせて”いしり”をかけました。色が薄いので、ちょっとかけ過ぎましたが、色濃く海の味がしました。

大根餅も作ってみました。いびつに見えるけど、おいしかったんです。

大根おろし、桜海老、片栗粉を混ぜて。

こんがり焼いて、いしりに砂糖をちょっとだけ加えた甘辛ダレを塗りました。

トマトとパクチーのサラダに。ちょうど、ナンプラー切らしていました。

ちょっと味わいが違って、おいしかった!

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PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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