写真展の準備のひとつとして、今マドリードを中心に開催している「PHotoESPAÑA(フォト・エスパーニャ)」を観にいった。
毎年夏にスペインで開催されている国際的な写真フェスティバルで、様々なテーマの写真展が、マドリードだけでも20以上開催中だ。
展示の雰囲気もそれぞれに違うので、いくつか観てまわることにした。
そのなかのひとつ「Casa Árabe(カーサ アラブ)」で開催されていた「What lies in between(その間にあるもの)」に、100枚以上もの鍵の写真を並べている展示があった。
アラブの難民の鍵だそうだ。
どんな家にどんな人が、家族が暮らしていたのか。その家を追われ、その後どうなったのか。
鍵=家=そこで暮らす人、家族、暮し。
そんな想像が、かきたてられた。
その帰りに「シベーレス宮殿」に立ち寄った。もとは中央郵便電話局であり、その後マドリード市庁舎にもなった建物は、現在、マドリード市の文化活動などの情報を集めたスポット&アートギャラリーとして使われていて、無料で現代アートを楽しめる。
そこで開催されていた「instante eternos en el jardín(庭での永遠の瞬間)」に、おもしろい作品があった。
モノクロの絵の半分上は線画で、真ん中のラインに立体を垂直に立てていて、立体が作った影が下の部分の線画になって見える。
と、説明するとかなりわかりにくいアートだ。
「El otoño caen sobre el agua. y como Ofelias, flotan sobre sus sombras.(秋は水面に落ちる。そしてオフィーリアのようにそれらは影の上に浮かぶ)」
かき添えられていた言葉からも、影がテーマだということがわかった。普段、忘れていた”影”というものの存在を再確認した。
オフィーリアは、シェイクスピアの『ハムレット』で水死する悲劇のヒロインだそうだ。
こうして名も知らぬアーティストの作品に触れる機会があり、思いがけない発見があった。

「Casa Árabe(カーサ アラブ)」で開催されていた「What lies in between(その間にあるもの)」。

3 人のアーティストがアラブ世界の現実をそれぞれの視点で切りとった、とありました。

鍵という日常の物から難民の経験を想起させる作品だそうです。

「シベーレス宮殿」外観。外観は宮殿そのものですが、どうやら宮殿だったわけではないらしい。9月のカレンダーの写真はこのすぐそばのシベーレス広場で撮影したものです。

「instante eternos en el jardín(庭での永遠の瞬間)」が開催されていたのは、5階。

中央が吹き抜けになっています。とにかく広い。

おもしろかったのは、これ。
秋は水面に落ちる。そしてオフィーリアのようにそれらは影の上に浮かぶ。
なるほど。

上は線画で、真ん中のラインに立体があり、その影が下の部分の線画になっています。錯覚のおもしろさと、工夫。そしてあらためて絵の繊細さを感じました。

4階のアート、3人展。

なぜ椅子? 現代アートにはなかなか思考や感覚が追いつきません。
楽しそうな展覧会。
今我が家は家の中に足場が組まれていて、上から5枚目の写真に見入ってしまいました。
でもこれ手すりですよね。
広いんですね、行ってみたいな~。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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