山梨県立美術館で開催された〈それぞれの葛藤と探求「日本画」の挑戦者たち〉を観に行った。
明治から昭和(1900~1980年代)にかけて、独自の日本画の表現を模索した画家27人に焦点を当て、西欧美術への傾倒、古典の新解釈、画壇への反発、画風の固定化からの脱却など、それぞれの画家による葛藤と探求を炙り出していた。
絵画についての知識はほとんどなく、難しいことはよくわからないが、まずは描写の素晴らしさに圧倒された。
風景や自然をテーマに描かれたものも数多くあり、いつも漠然としか見ていない身近な風景、植物など、見落としているものばかりだったと焦りに似た気持ちを覚え、日々目のまえにあるものをもっとじっくり見ようと素直に思えた。
そして、ひとりひとりの画家の絵に対する熱量の果てしなさにも、息をのんだ。
印象的だったのは、髙山辰雄の『夜』。
ある日見かけた、小屋の脇にしゃがみ込んでいた女性の姿が忘れられず、彫刻など様々なかたちで表現を繰り返し描き上げた作品だという。孤独を背負う人間の生と夜を描いていると説明にあった。いつか目にしたワンシーンを、自分のなかで練り上げていく絵に対する執念のようなものが垣間見え、しばらくその場から動けなかった。
美しいものをひとりゆっくり観て歩き、心の栄養をたっぷりと持ち帰った。

山梨県立美術館、外観です。

開催は、本日2月1日まで。

川崎小虎『教会堂の夜』。(1912~14)大正時代の作品です。カメラマークのある作品だけ、撮影可でした。ガラスの額に入った絵は、映りこみがあってうまく撮れなかったけど。

望月春江『美ヶ原』。(1938年)昭和初期。戦前の作品。今もわたしたちの身の回りに咲いている草花などが、咲いている花だけではなく、しおれたり枯れたりしたものなども、ハッとするほど美しく描かれていました。

近藤乾年『岩燕』。(1939~40)昭和初期。同じ大きさで並んでいる燕にも、一羽一羽に個性がありました。

山田申吾『水郷風景』。(1931年)昭和初期。太陽の光のまぶしさ、美しさが見えてきました。

のむら清六『ハハコ像』。(1966年)昭和41年の作品です。力強いタッチのなかにぬくもりを感じました。
山梨ゆかりの画家7人、近藤浩一路、川﨑小虎、穴山勝堂、望月春江、近藤乾年、のむら清六、三枝茂雄の作品もありました。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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