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映画『イニシェリン島の精霊』

WOWOWで観た、映画『イニシェリン島の精霊』。2023年1月に公開された、アイルランドの島が舞台の、しかし実際には架空の島での出来事を描いた映画だった。

 

〈cast〉

パードリック【コリン・ファレル】妹と穏やかに暮らす真面目な中年男性。

コルム【ブレンダン・グリーソン】音楽家。ひとり海辺の家で暮らす老人。

シボーン【ケリー・コンドン】パードリックの妹。兄とふたりで暮らす。

 

〈story〉

1923年。舞台は、アイルランドの小さな島、イニシェリン島。そこは小さなコミュニティで、誰が何をしたか、すぐに島じゅうに知れわたる。国は内戦中だが、島は平和だ。

ある日パードリックは、前ぶれもなく親友のコルムから絶縁を告げられた。パードリックには、まったく心当たりがなく、戸惑いを隠せない。わけがわからないままコルムに冷たくされ、動揺し苦悩し、やがて怒りをも膨らませていく。

パードリックは、シボーンや風変わりな若者ドミニクの力も借り、なんとかコルムとの関係をもとに戻そうとするのだが、コルム自身から「これ以上自分に関わると自分の指を切り落とす」と恐ろしい宣言をされてしまう。

やがて穏やかなイニシェリン島に、死を知らせると言い伝えられる“精霊”が降り立つのだった。

 

島で生まれ、島で共に育ったふたり。はっきりとした年齢はわからないが、パードリックを演じたファレルは49歳。コルムのグリーソンは70歳。実年齢は20歳ほど離れている。子供時代は兄と弟のような仲だったのではないかと想像できる。だとすると、40年以上親友だったのだろうか。

映画のなかには過去のふたりのシーンはいっさい描かれていない。観る側に、そこは手渡されている。

「ヤツは、つまならい」

シボーンに詰問され、コルムが口にした理由は、パードリックにも観る側にも納得いかないことだった。

実際パードリックは、優しく真面目でいいヤツだ。それをつまらないというのなら「お前が優しくて真面目でいいヤツだから、もう友達じゃない」と言っているようなものなのである。

 

ネタバレをしてしまえば、ラストまでコルムの”理由”は明かされない。「ヤツは、つまならい」以外には。

変わった映画だった。変な映画だったともいえる。だが、おもしろかった。

”友達”とは、夫婦や親子以上に特殊な存在なのかもしれないと、再認識した。

第79回ヴェネチア国際映画祭で脚本賞。ファレルは、男優賞に輝く。第95回アカデミー賞では8部門9ノミネートされたそうです。☆画像はお借りしました。

予告編は、こちら

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PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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