岩井俊二監督作品、映画『キリエのうた』。
歌を歌う以外に声を出せなくなった歌手キリエと、名前を捨てたイッコ、行方不明の恋人が忘れられない夏彦、傷ついた人々に寄り添う教師フミの13年に渡る物語。
そこには、東日本大震災で大切な人を失った過去があった。
〈cast〉
キリエ(路花)【アイナ・ジ・エンド】歌を歌う以外に声を出せなくなった歌手。路上ミュージシャン。
一条逸子(真緒里)【広瀬すず】イッコ。過去を捨て、名前を捨てた風来坊。
潮見夏彦【松村北斗】震災で行方不明となったフィアンセ(キリエの姉)を想い続ける。
寺石風美(フミ)【黒木華】大阪の小学校教諭。ホームレスの少女キリエ(路花)に出会う。
ほか、村上虹郎、松浦祐也、大塚愛、江口洋介、浅田美代子、北村有起哉など。
〈story〉
舞台は、2011年の石巻、その夏の大阪、2018年の帯広、2023年の東京。時間と場所を往来しながら、物語は紡がれていく。
【2023年、東京】路上ミュージシャンのキリエを、名前も風貌も変えたイッコが見つけ、二人は再会した。イッコは、キリエのマネージャーをすると言い出す。
【2018年、帯広】高2の路花(キリエ)は、大学を受験する真緒里(イッコ)と、彼女の家庭教師だった夏彦の妹として出会う。血のつながらない声が出せなくなった路花を、夏彦が保護し暮らしていた。
【2011年、大阪】震災でひとりぼっちになり、その夏、ひとり大阪にたどり着いた小学生の路花(キリエ)。森で暮らす彼女を見つけた教師フミが、行方不明の姉のフィアンセだった夏彦を捜し出す。
【2011年、石巻】大学生の夏彦は、路花(キリエ)の姉と恋仲になり、結婚を考えていた。だが、震災が起こり、連絡が途絶えてしまう。
夏彦やフミは、ひとりぼっちの少女、路花(キリエ)を救おうとするが、社会規範に阻まれ「他人」という枠のなかに入れられ、彼女と切り離されていく。
人は人に手を差しのべようとするのに、世のなかは、思うようにいかないことばかりだ。
だからこそきっと、キリエは歌い続けるのだろう。
聞きたくないや 雑音ばっか とどめを刺してる
泣きたくないや 声も出ないや 答えはないの
「名前のない街」Kyrie
雪のなかでキリエが歌ったオフコースの「さよなら」が、胸に沁みて残った。

キリエ(Kyrie)は、ギリシャ語由来の「主よ」を意味する言葉だそうです。
☆画像はお借りしました。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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