一昨日の夕刻、窓の外が急に明るくなった。
丸一日、雨が降り続き、ようやく上がったその直後だ。久しぶりに空が赤く染まる濃い色合いの夕焼けだった。
夕焼けを描写した「色」は、無数にある。
『俳句歳時記・夏』には、こうある。
日没後、西空の地平線に近い部分から燃えるような紅色を現すこと。
「燃えるような紅色」と言っている。
夕焼の中に危ふく人の立つ 波多野爽波
『空の名前』には、「茜空」「茜雲」という言葉が載っている。
「真っ赤」、「朱色」、「紫色」、「ぶどう色」、「オレンジ色」、「黄金色」、ほかにもたくさんの色の名前で表現されてきたはずだ。
「夕焼色」という言葉もある。
多分たいていの人は、オレンジ系の色合いを連想するのではないか。
ここで暮らし初めて、24年と少し。
わたしのなかの「夕焼色」は、少しずつ変化している。
リビングから。肉眼では、もっと赤っぽく見えました。
幾重にも重なる色たち。
2階から、夫が一眼レフで撮った写真です。
翌朝の八ヶ岳は、夕べのことなど忘れたかのよう。
雲たちと対話していました。
そろそろ、季語「山滴る」の季節かな。
頂きに神を祀りて山滴る 高橋悦男
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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