多治見を訪れて驚いたことは、食事や休憩をしようと入る店入る店、器にこだわり、とても凝っていたことだ。
陶磁器の国内生産量5割を誇る美濃焼の産地、多治見市には『美濃焼を使おう条例』が制定されているそうで、しかしどの店も、条例はなくとも楽しんで使っているという感じがにじみ出ていた。同じ料理を載せても、美味しささえ器でずいぶんと違ってくる。それを体感し十二分に知っている経験則といった感じだ。
「陶器って食事をするための道具だけど、美味しく食べるための道具でもあるんだよなあ」
あらためて、知ったように思う。
だから陶器祭りは、ひとつひとつイメージしながら見て歩いた。
いいなと思う器があるたびに、いちいち、どんな料理に使おうか、どんなシーンで並べようか。煮物をよそうか、取り皿にするか。皿だったら大きさは? 鉢だったら深さはどのくらいが使いやすいか。それがやたらと楽しかった。
売られている陶器は、まだ料理を載せたことのない新米さんだ。陶器祭りでは、そんな新米さんばかりが並んでいた。どんな料理を載せ、どんなふうに食べてもらえるだろうと、それぞれに未来を夢をみているのかも知れない。
1日目にランチした『カフェ温土』多治見駅から徒歩3分ほど。
Aランチの豆腐ハンバーグセット。サラダ、味噌汁、白飯or玄米のご飯つき。
雨のなか歩き疲れて休憩したカフェ。珈琲が美味しかった。
陶器祭り当日のランチは、『そば処井ざわ』で。
かき揚げとざる蕎麦。しっかりしたコシの細くきれいなお蕎麦。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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