「予言だ」
「なに? ペンキ塗りだった?」
朝、ペペペ日めくりカレンダーをめくって目を丸くするわたしに、夫が日めくりをのぞきこむ。
「おーっ、まさに予言」
日めくりには、「夕日を見に高いところに行く日」とある。
前日の夕刻、窓から見た夕焼けがあまりに綺麗だったので、写真を撮りに出かけたのだった。そこは坂の中腹だったが、そのまえに家で、2階のキャットウォークからも夕焼けを眺めた。
「高いところ」である。
じつを言うと、その前日にも夫が「予言だ」と言っていた。
「やっちゃうよーの日」には、めくる氏が「今日は洗い物やっちゃうよー」と皿洗いをしている絵が描かれていた。
引退してから朝食後の洗い物を担当している夫であるが、その日に限り、昼も夜も洗い物をしてくれていた。
ペペペ日めくりカレンダーをめくって、4年。
こうしたシンクロに驚かされることは、けっこう多い。
夕焼けが綺麗なのは、季節に関係しているネタなのかもしれないが、洗い物は偶然としか思えない。
いや。もしかすると、人が暮らすって、夫婦で暮らす日々って、そうそう違わないものなのかもしれない。
朝が来れば、陽が暮れるし、食事をすれば、皿も洗う。
「時間が、ゆっくり流れていくね」
多忙を極める日々を送っていた夫には、日々新鮮に映るようだ。
2階のキャットウォークから見た八ヶ岳。夕刻17時15分。
同じくキャットウォークから。17時38分。「観に行こう!」と、すぐに車で出発しました。
少し走った田んぼ道で。17時45分。うちからは見えない西側の南アルプス連峰。
左から、甲斐駒ケ岳、のこぎり岳。
のこぎり岳の北側に連なる山々は何ていう名前なんでしょう。
昨日のペペペ日めくりカレンダー。夕焼けじゃなく夕日だったけど。
その前日は「やっちゃうよーの日」でした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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