「オルヴィエート大聖堂」には、4度行った。
到着した日の昼過ぎと夕方、2日目の夕方、そして3日目最終日の朝一番に。
夕焼けに映える大聖堂を撮りたい、と写真家である夫の意向による。
大聖堂のファサードの美しさには、言葉を失った。
「きれい……」
それしか、出てこない。
シエナの建築家&彫刻家ロレンツォ・マイターニほか、33人の建築家、152人の彫刻家、68人の画家、90人のモザイク師が力を注いだという。
大聖堂内を拝観したあとホテルに帰って休憩し、別行動でわたしは街歩きし雑貨屋巡りをしてふたたび戻った夕刻、夫が言う。
「夕焼けに染まる大聖堂が、見たい」
夕焼けが赤く染まるかはわからなかったけれど、もちろん異論はない。何度見てもいい。それほどに「オルヴィエート大聖堂」は美しかった。
そして2日目。チヴィタ・ディ・バニョレージョから帰って、夕刻大聖堂の前に立った。
「夕焼けだ」
「染まってるね」
大聖堂は、オレンジ色に染まっていた。
「また明日ね」
大聖堂に声をかけ、夕食に出かけた。
3日間オルヴィエートに滞在できて、ほんとうによかった。
初めて見たお昼過ぎの「オルヴィエート大聖堂」。
彫刻のひとつひとつの細かさに、息をのみました。
夕方になると、また違う雰囲気に。「ミラノ大聖堂」「シエナ大聖堂」と並ぶ、イタリアの3大ゴシック建築のひとつに数えられるそうです。
夕闇の気配を、漂わせています。
本当に細かい彫刻で作られていて、近くで見るとまた違った驚きがあります。
4本の大きな柱には、新旧の聖書のシーンが描かれているそうです。
2日目の夕焼けに染まった「オルヴィエート大聖堂」です。
外観と比べると、白と黒の縞模様がおとなしい印象の内観。昼過ぎに行ったときには、主祭壇のステンドグラスも穏やかな光でした。
朝一番にふたたび訪れたときには、ステンドグラスが美しかった。観に行く時間によって、外もなかも違うシーンを見ることができました。
「聖ブリッツィオ礼拝堂」のルカ・シニョレッリのフレスコ画。黙示録をテーマに描かれているそうです。
反対側に描かれている「地獄に堕ちた者たち」です。
イタリアでもっとも大きいといわれているパイプオルガンは、現役だそうです。聴いてみたかった。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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