庭の木に、クワガタやカブトムシが蜜を吸いに来ている。
立派だ。こんなに立派な雄のカブトムシもクワガタも、数年ぶりに見た。今年は、美味い蜜が出ているらしい。カナブンも、たくさんいる。
「兜虫(かぶとむし)」は、夏の動物の季語。「甲虫(かぶとむし)」「さいかち虫」「源氏虫」などの傍題がある。
櫟(くぬぎ)・楢などの他に皀莢(さいかち)にも集まることから皀莢虫の名もある。
『俳句歳時記・夏』の例句は、こちら。
兜虫漆黒の夜を率(ゐ)てきたる 木下夕爾
漆黒のカブトムシと漆黒の夜。夜活発に動くカブトムシは、夜を率いてやってくるようだ。
兜虫一滴の雨命中す 奥坂まや
雨は、大粒だろう。固く黒光りした背中に命中したが、カブトムシは動じないような気がした。
「金亀子(かなぶん)」も、同じく夏の植物の季語。「金亀虫(こがねむし)」「黄金虫」「かなぶん」「ぶんぶん」「ぶんぶん虫」身近な虫だからか、傍題もたくさんあった。
『俳句歳時記・夏』にも、おどけた特性が載っていた。
電灯にぶつかってぽたりと落ち、死んだふりをしたりする。
例句は、こちら。
金亀子父へ放れば母へ飛ぶ 有馬朗人
さて。「鍬形虫(くわがたむし)」だが、『俳句歳時記・夏』には載っていなかった。ネットで調べると、同じく夏の動物の季語だった。
教卓の上で鍬形戦はす 森 一郎
クワガタが歳時記に載っていないことに、朝ドラの寅ちゃんのごとく「はて」と言いたくなった。
大きなミヤマクワガタ。カナブンたちを蹴散らしていました。
カブトムシ。久々に飛ぶ姿を見ました。上を向いて立ち泳ぎ(?)みたいにして飛ぶんですね。
庭では、桔梗が花盛り。
ひょろひょろと細い茎が倒れてしまうので、夫が束ねてくれています。
英名バルーンフラワーの名前そのままの蕾。
以前「桔梗の花咲いて~秋の季語」で、俳句を紹介していました。
実をつけている辛夷の木。
栗の木にも、小さな青い毬が。
月見草は、小さな種をたくさんつくって弾けました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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