キッチンに立つ人にしかわからない感覚、というものがある。
読んだばかりの『家日和』に、こんな台詞があった。
会社が倒産して、突如主夫になった36歳、裕輔。(「ここが青山」)
食べながら、だんだんへこんでいった。自分の供した料理がおいしくないというのは、身の置き場がない。世の女たちは、自分の料理に審判を下されることに、どうやって耐えているのだろう。
そうなんだよ! とジーンときた。
料理をする人に、失敗はつきもの。だけどこれが、へこむんだよな、ほんと。身の置き場がないっての、すごくよくわかる。
『誰も知らない世界のことわざ』に載っている、ガーナの諺がある。
水を持ってきてくれる人は、そのいれものをこわす人でもある
水を運ばない人は瓶を壊すこともないし、料理をしない人は美味しくないものを作ることはない。
また、アラビア語にこんな諺がある。
ある日はハチミツ、ある日はタマネギ
うまくいくときもあるし、悪い方へ転がるときもある。そんな意味らしい。
人生は予想のつかないもの。いつも奇妙で、タイミングの悪いことの連続です。でも、同時に人生は切ないほど美しく、この世界はありとあらゆる方法であなたを助けてくれようとします。
料理の失敗くらい、玉葱の辛さだと思えば、まあいいのか。料理のプロっていうわけじゃないからね。

『誰も知らない世界のことわざ』には、こんな言葉もありました。

ガーナの一部族「ガー」の言語だそうです。
助言することがないときや、手伝うつもりがないときは、何かを成し遂げようと努力して、その最中にうっかりミスをしてしまった人を批判すべきではない。
そんな意味が込められているそうです。

こちらは、アラビア語。このイラスト、素敵!

三部作2冊目『我が家の問題』を、ゆっくり読んでいます。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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