きのう、長雨が上がりようやく晴れ間が射した。
下りの坂道を運転中、鰯雲が前方に広がっていて車を停めた。青い空に鰯雲が流れていく。天高く馬肥ゆる秋というが、空が高い。
所用を済ませ家に帰り、空の写真図鑑『空の名前』(光琳社出版)を開いた。
何度も開いた「鰯雲」のページをめくる。そのたびに新しい発見があるのも、この本のいいところだ。案の定、これまで同じような雲だとばかり思っていた「鰯雲」と「羊雲」は、発生する場所、高度が違うことがわかった。
「鰯雲」は最も高い位置、高層(5000~13000m上空)に現れる「巻積雲」
「羊雲」はその下の中層(2000~7000m上空)に発生する「高積雲」
ちなみに、秋の空が抜けるように青く高く見えるのは、晴れるときの高気圧の出身地が違うからだそうだ。夏の高気圧は南の海から、秋の高気圧は大陸からやってくる。で、水分の少ない高気圧が作った青空は透明度が高くなるらしい。
秋に見られやすい高層の雲が多いのも、空が高く見える理由のひとつだろう。
高く高く上空から見下ろしている鰯雲を、見上げる。流れゆく雲のように、季節は流れ、時は流れていく。
ところで、鰯雲、すなわち巻積雲が現れるのは、低気圧の予兆。ああ、秋の風物詩の長雨は、もう勘弁してほしいんだけど。
この雲が見えると鰯が大漁になると言われる鰯雲です。
南アルプスの甲斐駒ケ岳。雲が山から生まれてくるようにも見えます。
八ヶ岳です。だんだん冬が近づいてくるなあ。
シミルボンで『空の名前』を紹介したコラム『空を眺めて』を連載しています。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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