隣りの森に春蘭が点在しているのを、夫が見つけた。
春に咲くから春蘭と名づけられたという野生の蘭である。
花言葉は、「ひかえめな美」「飾らない心」など。森でひっそり目立たずに小さな花を咲かせるからだろう。
山菜として天麩羅や酢の物で楽しめるが、苦みも持たず好んで食べるほど美味しいとは思わなかった。味もひかえめだ。
そんな春蘭に魅かれるのはなぜだろう。
まるで、春の様子をこっそりうかがって、そっと頭をもたげるような仕草。
長い冬の眠りにたくわえた力で無邪気に身体じゅうを太陽に向かって伸びていこうとはせず、自らのなかにある静かな光を少しずつ少しずつ手放しくいくように咲く姿。
ただまっすぐに伸び光合成する細長い葉に、愛しさを感じているようによりそう様子。
葉のなかに隠れるようにやわらかな緑に隠された花弁。
たぶんそんなところに、魅かれている。
どこか自分と重ね合わせているのかも知れない。
森の春蘭は、10株ほどもある。春の愉しみが増えた。
蕾を伸ばしている様子は、心細そうにも見えます。
殻を脱ぐように咲き始めます。
うつむいて見ないでと言いながら咲いているみたい。
蕾は頼りなく、葉っぱによりそうよう。
庭の水仙も咲き始めました。
まだまだこれからです。
クリスマスローズは、背を伸ばして。
いくつも花を咲かせています。
春の陽気に誘われてお花が咲き始めましたね。
どれもきれいですが、春蘭の美しさに魅了させられました。
透明感のある緑は春ならではの色合いですね。
自生しているなんて素敵ですね。
春蘭が食べられること、初めて知りました。
秋田の人たちもカタクリをお浸しにして食べたり、ノカンゾウの新芽も茹でて食べますから不思議はないのですが、美味しいのですね。
季節の変わり目はたんぱく質を多くとると言いそうです。
ラジオ深夜便に出ていた料理家のパン・ウェンさんが話しておられました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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