本屋で見かける表紙が気になっていた小説『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の映画版。
〈cast〉
南山高寿(みなみやまたかとし)【福士蒼汰】 20歳の美大生。愛美と出会い恋に落ちる。初恋だった。
福寿愛美(ふくじゅえみ)【小松菜奈】 20歳の美容師専門学校生。
上山正一(うえやましょういち)【東出昌大】 恋愛に長けた美大生。高寿の親友。
〈story〉
美大に通う高寿は、通学電車で一目惚れした愛美に告白する。あっけないほどに告白を受け入れ、「また明日」という彼女の目には涙が。不思議には思ったが、恋は盲目。おかしいと思ったところも魅力に映る。ふたりは自然な雰囲気でつきあい始めた。
だが毎日会っているうちに、不思議なことは続く。
高寿には、愛美が未来を見てきたかのように感じることがあるのだ。
それでも、どうしようもなく愛美に強く強く魅かれていく高寿だったが、ある日秘密を打ち明けられる。
自分は隣接するパラレルワールドの住人で、この世界とは時間が逆に流れている。
「あなたにとっての未来(明日)はわたしにとっての過去(昨日)」であり、2つの世界が交わりふたりが会えるのは「5年に一度、月が満ちてかけてしまう30日のあいだだけ」なのだと。
過去を共有できていない、できないのだと知り、高寿は苦しむ。
「今まで一緒に過ごしてきた全部を、きみは知らない」と。
そんなとき、何も知らない上山の言葉が、背中を押す。
「月と地球も、ある意味すれちがってるって言えるよな。同じ距離をひたすらぐるぐる回って永遠に近づけない。これが恋人同士だったらマジつれーよな」
会えるんだから、ちゃんと話せよ、と。
恋愛は、いつでもすれちがいだ。たとえ、パラレルワールドの住人同士じゃなくっても。おたがいの昨日を知っていても。
時間が愛美の流れに変わるラストが、幻想的で好きだった。
小説と同じ、このロゴが気になっていたのかも。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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