「鏡餅みたい!」
朝起きて、キッチンに立ち、歓声を上げた。
「だよね~」
先に起きていた夫も、うなずく。
前日こねておいたパン生地が発酵途中でふくれ、ちょうど鏡餅そっくりの形になっていた。
なぜだろう。
似たモノを見つけると、ちょっとうれしくなる。
雲が天使や火の鳥に見えたり、オドリコソウがたしかに踊り子のように見えたり、バルーンフラワーの名を持つ桔梗の蕾が風船みたいに見えると、
「あ、似てる」「ほんとに、似てる」
と、ちょっとだけうれしくなる。
ほんの少し、心の温度が上がる。
そこには、小さな、ほんとうに些細な驚きがあるからかも知れない。
特別なことは何もない毎日にも、何かを変えるスパイスは、たぶん似たモノを見つけたときのような些細な気持ちのなかに隠れているのだろう。静かに。けれど確かに。
これです。鏡餅!
焼き上がりは「東京ドーム型」とは、夫の感想。
熱いうちに切ると、モチモチです。
目玉焼きも、2個焼くと「目玉」みたいだからそう呼ばれてるんだよね~
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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