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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

母を訪ねて

4カ月ぶりに、東京でひとり暮らす実家の母を訪ねた。

ひとりでの暮らしも落ち着き、介護認定も変わらず要支援1のまま更新し、毎週来てくれるヘルパーさんには買い物だけを頼んでいるという。

母の好きな葱トロ巻きを中心に巻き寿司を買っていき、ふたりゆったりとランチの時間を過ごした。

いつもの京樽の中巻きだが、食べにくそうにしているのでカットしてもらったひと口サイズをまた半分にカットした。

変わらず元気そうに見えても、緩やかに歳をとっている。

母は、今月87歳になった。

 

「朝ドラ、おもしろいよね。気象予報士の」

というので、ホッとした。

父が亡くなった頃には、それまで欠かさず観ていた朝ドラで今何が放映されているのかも知らなかった。

「モネ、ね。おもしろいよね。最近は観てるんだ?」

「ゆっくり、テレビが観られるからね」

ひとりでダイエーに行き、新しいエアコンを買ったという。調子が悪くなったエアコンを、しかし父がずっと買い渋っていた。

自由になった母は、表情も穏やかにやわらかく明るくなっていた。

 

母が暮らす都営団地の敷地内には、ピンク色のオキザリスが花盛りだった。花言葉のひとつは「輝く心」だそうだ。

「目標があるの」

そう言っていた母の笑顔に、小さなオキザリスが凛と揺れた。

団地の敷地内に咲いていたオキザリス。

ガクアジサイは、そろそろ花仕舞いのようでした。

敷地内の公園に咲いていたアガパンサスは、これから咲く蕾がたくさんありました。

「楠の木公園」とクスノキの根もとに立札が立つ小さな公園です。

COMMENT

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  1. ぱす より:

    こんにちわ
    お母さま、おひとりで、元気に過ごしておられるのですね。
    何よりですね。お近くのお花が見事ですね!初夏の花が盛りで、散歩にちょうどいいでしょう。
    「おかえりモネ」は、ゆっくりとすすむ感じがいいですね。
    一回見逃すとわからない、展開の早い朝ドラもありますが、今回は実にゆっくりと時がすすみ、話がすすみます。それは、それでいいですね。お母さまも、楽しみにされているのですね。
    私も、朝ドラの話は母とよくします。が、「おかえりモネ」のことはまだ話していませんね。
    今度、話をしてみたいと思います。

    記事を拝見してとても気持ちが和みました。さえさんの、いろんなお気持ちがよくわかりました。
    遠く離れて、気にはなるけど、それぞれの生活がありますね。私もおんなじです。

  2. ユミ より:

    お母様、ひとりになられても引き続きゆとりを持って暮らしていらっしゃいますね。
    さえさんもお顔を見る事が出来て安心されたのでは?
    新しいエアコンをひとりで買いに行くって、頑張られていますよね。
    家電で工事がつきものとなってくると、私でも誰か一緒に行って~って思ってしまいます。
    いつも目標があるから、前向きになれるんですよね。
    今度の朝ドラは、ほんわかとして良いですね!

  3. さえ より:

    >ぱすさん
    こんばんは。
    去年は父の介護に疲れていたのだなとあらためて思うほどに、母は元気になりました。
    自分のペースで、急ぐことなく動けること。
    それだけのことが、ほんとうに大切なのだと見ていて実感します。
    東京は緑が多いと、帰省するたびに思います。母が暮らす団地は、ソメイヨシノに囲まれていて、春には暮らしながらお花見ができるんですよ。
    「おかえりモネ」そう言われると、たしかにゆっくりペースですね。それが心地よくもありますね。
    お母さまと、ぜひモネのこと、話してみてください。
    母とはたぶん、仲良し母娘ではありません。それでも弟にも妹にも話せないことを話してくれるときがあります。長女だから、なのでしょうか。
    ぱすさんは、離れて暮らすお母さまのこと、いつも気にかけていますね。気づかされることがよくあります。

  4. さえ より:

    >ユミさん
    そうなんです。母がマイペースでゆとりを持って暮らしていて、久しぶりになってしまいましたが訪ねてホッとしました。
    エアコンを買いに行った話は、まるで武勇伝のように語っていましたよ(笑)
    わたしも、すごいなあと思いました。お店の人が親切にしてくださって、よかったなあと思います。こうして見知らぬ人に助けられて、みんな生きてるんだなあって。
    母は、まえに会ったときよりも動きがスムーズにもなっていました。
    ムリせずゆっくりと、目標に向かって歩いていってほしいです。
    「おかえりモネ」わたしも楽しんでいます。

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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