水道橋ランチの続き。
いつもランチに10人くらい並んでいる行列のできるカレー屋がある。
「桃の実」という「インドで修業したシェフが追及した日本米に合うカレー」の店らしい。
「並んでまではなあ」
というのがいつものスタンスで、美味しいんだろうなあと思いつつも横目で見ながら通り過ぎていた。
ところが、前を通ると女性がひとりしか待っていない。
やはりリモートワークなどで人出が少なくなっているからだろうか。
「ひとりくらいなら」
と、並んでみた。
するとするすると列が伸びていく。あっという間に6~7人になった。
「あ、わたし行列のなかに並んでる」
いつも味合わないその感覚は、くすぐったいような不思議な感じがした。
しばらくすると、前の女性と同時にカウンターに隣り合わせに通された。
カウンターは身動きとれないほどの狭さで、セルフの水が端に座った彼女の向こう側にある。
「どうぞ」
すると、彼女が水を入れたコップを手渡してくれた。
「ありがとうございます」
うれしく、笑顔で受けとる。
そしてその後は、ひとりランチのルールにのっとり、たがいに干渉せず、辛めのインドカレーをそれぞれに楽しんだのだった。
この看板の前に、いつも10人ほど並んでいるのを横目に通り過ぎていました。
初めていただくチキンカレー。セットです。
この左側のお豆のカレーとサブジ(ほうれん草、じゃが芋)とピクルス(胡瓜、牛蒡、林檎ほか)がついているのがセットだそうです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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