鶯はぐぜり鳴きを終え声も高らか、雉が頭の上に響くような雄叫びを上げるこの頃。白く踊るよう瑞々しい独活をいただいた。
辛子酢味噌で和える。
葉先を天麩羅にする。
皮をきんぴらにする。
薄切りにしてしばらく水にさらせば、サラダでも食べられる。
けれどいっぱいあるので、他のものも作りたい。新しいレシピに挑戦したい。
ということで、ランチに肉巻きにした。レシピは、以前茄子で美味しかったリュウジレシピを活用。
〈独活の肉巻き〉
15㎝くらいの長さに切り皮を剝いて水にさらした独活に豚バラ肉を巻く。
塩胡椒し小麦粉をまぶし、フライパンで転がしながら焼く。
肉から出た脂をキッチンペーパーで拭きながら、しっかり火を通す。
辛味ダレ(酒、醤油、味噌大さじ1、砂糖、豆板醤小さじ1)を混ぜて、肉巻きが焼けたフライパンに入れてジュッと温める。
適当にカットして、皿に盛る。木の芽をあしらう。
ところで、肉を巻くと思い出すのが、『きのう何食べた?』17巻の「いんげんと人参の肉巻き」の回。
佳代子さんに肉巻きおにぎりをご馳走になり肉を巻きたくなったケンジは、いんげんと人参を市松模様にきれいに巻く。
そしてふたりで食べるわけなんだけど、ケンジはご不満。
「あっねえシロさん! ちゃんとキレーに巻いたの食べてよ!」
「え? イヤいいよ。俺はこの最後のいんげん多めで辻褄合わせた奴から片付けるから」
「片付ける言うな~~! シロさんのそういうお母さんぽいとこヤダ~~! 彼氏なんだからちゃんとできのイイやつから食べてくれないと~~!」
シロさんは、めんどくさい奴と思いつつ食べるのだった。
これわかる~。わたしも端っこから食べるわ。
できの悪いところから片付けると、できのいいのだけが残って、まるで全部が完璧みたいになるのが気持ちいいんだよね。これって、お母さんぽいのかぁ。
独活の肉巻きは、そんな心配もなく美味しくいただきましたけど。
お庭で栽培しているそうです。
ちょうどホタルイカを買ってきたので、一緒に辛子酢味噌で和えました。春らしい一品に。
独活の香りとこってり豚バラ肉、相性抜群でした。
味つけが濃いので、キャベツの千切りを添えました。春キャベツが美味しくなりましたね。
新しいご飯土鍋も、快調です。
皮のきんぴら、たくさん作ったのでしばらく楽しめそうです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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