ご近所のSさんにいただいた狭山茶が美味しくて、注文した。
ネットで探してもなかったので、袋の裏にあった番号に夫に電話をしてもらう。
「いただいてお茶飲んだら美味しくて、この電話で注文できますか?」
「はい。お送りしますよ」
ハキハキとした明るい声の女性が、電話に出た。
「住所を」と言われ、「山梨県北杜市」と夫が答えると、「もしかしたら、Sさんから?」と言う。
「そうです、そうです」
夫が答えると、少し心配そうな声になった。
「かなりのお歳なのかしら」
Sさんは、父と同世代だったはずだから90歳は超えている。電話口での様子が気になったらしい。
「ああ、ずいぶんと耳が遠くなったようですよ」
何年も前から、話すときにはこちらも大声を出すようになっていた。
「近いうちに、様子を見てきますね」
夫が請け合うと、ホッとしたようだった。
ネット注文では感じることのないぬくもりが、そこにあった。
100g千円の煎茶です。狭山茶でも「なみき園」のものは、ネットには出回っていません。
しっかりとした濃い緑の茶葉。
色濃く淹れられるのも、気に入っています。
煎茶をいただくのは、朝食のとき。2回目の枝豆ご飯で。
もやしとほうれん草のナムル、茹でたブロッコリーには胡麻ドレッシング。野菜がたくさん食べられると、ホッとしますね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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