夫の友人を招き、ワインの夕餉を支度した。
薪割りの手伝いに、東京からわざわざ来てくれたのである。
コロナ以来、初めて泊まりで迎える客人だ。
天然酵母の胡桃パンを前日から仕込み、当日はセロリを千切りにし、銀ダラのクリームコロッケを作った。コロッケは、栗原はるみレシピだ。
以前冷蔵庫にあるもので間に合わせて作ったことはあるが、レシピ通りに作るのは今回が初めて。レシピとにらめっこしながら、その通りに作るぞと意気込んでいた。
そういう張り切ったときに限って、失敗する。
ホワイトソースに「顆粒コンソメ小さじ1/2」とあるところ「小さじ2」入れてしまった。倍の倍だ。
「うわ、しょっぱくなっちゃったかな」
コンソメには塩分が含まれている。しかし味見すると、それほどでもなくホッとした。
銀ダラに塩をするのをやめ、塩なしレシピにする。
そのコロッケが、めっぽう好評だった。
かくして、コンソメを倍の倍入れる我が家の味が、できあがった。
怪我の功名は、こと料理に関しては新しい味開発の道筋を作ってきたのかもしれない。失敗は失敗でも、大失敗じゃなかったから言えるんだけど。
薪割り隊のお昼はおむすび。バザーでゲットした南高梅と鮪の佃煮を入れて。
鮪の佃煮には、仁淀川の純粉山椒を隠し味に。
夕餉、前菜3種。以前、百均で購入したこのお皿、こういうのにぴったりです。豆腐のオリーブオイルかけ、鶏レバーに赤大根とパプリカのピクルス、春菊と蓮根ときのこのマリネ。
セロリの千切りサラダは、定番料理、安定の味。
タイミングよく焼き上がった天然酵母の胡桃パンは、湯気が上がるなか切り分けて。
銀ダラのクリームコロッケです。レシピ通りで、11個できました。
『栗原はるみ私のおもてなしレシピ』から。
レシピノートに、保存しました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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