「Child of Deaf Adults」略して「CODA(コーダ)」とは、耳が聞こえない親のもとで育った耳の聞こえる子供のことをいう。
映画『Coda あいのうた』は、耳の聞こえない両親と兄の”通訳”をして育った女子高生ルビーと、その家族の物語だ。
〈cast〉
ルビー【エミリア・ジョーンズ】Codaとして育ち、家族を支える女子高生。
フランク【トロイ・コッツァー】ルビーの父。漁師。聴覚障害を持つ。
レオ【ダニエル・デュラント】ルビーの兄。父と船に乗る漁師。聴覚障害を持つ。
ジャッキー【マーリー・マトリン】ルビーの母。聴覚障害を持つ。
ベルナルド・ヴィラロボス【エウヘニオ・デルベス】ルビーの歌の才能を見出す音楽教師。
マイルズ【フェルディア・ウォルシュ=ピーロ】ルビーとデュエットする合唱クラブの仲間。
〈story〉
ルビーは耳の聞こえない父フランクと兄レオの漁船に乗り、仕事を手伝ってから高校へ行く毎日。
ある日、憧れの男子マイルズが合唱クラブに入ると知り、衝動的に入部してしまう。母ジャッキーには、耳が聞こえない親を持った反抗ね、と言われるが、ルビーは心から歌うことが好きだった。
ヴィラロボス先生は、すぐにルビーの才能を見抜き、音大進学を勧める。ルビーは、歌を学びたい。だが、家族を置いていくことに迷いを感じていた。
フランク、レオ、ジャッキーの家族3人を、聴覚障害を持つ俳優が演じていて、手話は本物。そのなかで初めて手話を演じるルビー役のエミリア・ジョーンズの手話の迫力には驚かされる。
日本手話と違うので、読み取れない手話ばかりだったが、なめらかな手の動き、表情、ユーモア、心の底までをも吐き出そうとする家族同士の会話に圧倒された。
レオが聴者と飲みにいって感じた疎外感は、言葉の通じない外国にいるような感じなのだろうか。
わたしの手話教室の先生は、初心者のわたしたちに、あえて手話を通訳しないときがある。
みんな話が通じているのに、自分だけがわからない、そういう気持ちを知ってほしいからだという。なぜ笑っているのかわからない。みんな楽しそうだけど、何が可笑しいのかまったくわからない。そういうときの気持ちは、耳が聞こえない人みんなが多くのシーンで体験していることだから。
ルビーの透明感あふれる歌声は、とても素敵だった。
エミリア・ジョーンズの美しさが際立つ写真ですね。
☆画像はお借りしました。
こちらのYouTubeも、どうぞ。
ルビー&マイルズのデュエット「You're All I Need To Get By 」
ルビーがオーディションで歌った「青春の光と影」
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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