川村元気原作、佐藤健主演映画『世界から猫が消えたなら』は、タイトルを見たときからずっと観たいと思っていた。
〈story〉
〈僕〉はある日突然、脳腫瘍でいつ死んでもおかしくない状態だと診断される。宣告を受け入れられないまま部屋に帰ると自分と瓜二つの〈悪魔〉がいた。「おまえは明日死ぬ。だが大切なものをひとつ消せば、1日生き延びることができる」という。消すものは自分では選べない。〈悪魔〉は、まず電話を選んだ。〈僕〉は、間違い電話で知り合った別れた〈彼女〉に会いに行くのだが。
〈cast〉
僕/悪魔(2役)【佐藤健】
彼女 【宮崎あおい】
タツヤ 【濱田岳】
父 【奥田瑛二】
母 【原田美枝子】
自分ひとりがこの世界から消えても、たぶん世界は何も変わらないだろう。
誰でも一度はそんなふうに、考えたことがあるんじゃないだろうか。
わたしはある。もしいい方に変わるのなら、たとえば戦争がなくなるとか、だったら命を差し出してもいいなとか、けど残念なことに、たぶん何も変わらないだろう、と。
彼女は、ブエノスアイレスで友人を亡くし泣き叫ぶ。
わたしが死んだら泣いてくれる人がいるのかな。それともやっぱりこの世界はいつもと変わらない朝を迎えるのかな。
この映画は、ひとつのものが失われていくたびに変わっていく世界を描いていた。
電話を失くした世界では、間違い電話で出会った彼女とも出会っていなかったし、誰かと電話で話した時間そのものが失くなっていた。人との出会いやつながり、伝えた言葉、大切に思う気持ち、そういうものすべてが失われていたのだ。
やがて〈僕〉は、知る。誰かが生きた痕跡は、確実に世界を変えているのだと。
佐藤健、いい俳優になったなあ。『ビター・ブラッド~最悪で最強の親子刑事〜』が好きで、夢中で観たのを思い出します。
キャベツ(猫の名)のソーキュートなシーン。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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