読み始めたままページが進まなくなった小説を、映画で再挑戦した。
椰月美智子の『明日の食卓』である。
〈cast〉
石橋留美子【菅野美穂】悠宇の母。フリーライター。夫はフリーカメラマン。
石橋加奈【高畑充希】勇の母。アルバイトを掛け持ちするシングルマザー。
石橋あすみ【尾野真千子】優の母。夫の実家の隣りで暮らす専業主婦。
〈story〉
石橋ユウ(10歳)が、母親の虐待によって死亡した。
3人の少年、石橋ユウとその母親に焦点を当て、普通の家族のなかにある闇を描いていく。
石橋留美子は、やんちゃ盛りの小学生ふたりの兄弟に手を焼いていた。夫は稼ぎも少ないが子育てにまったく関与しない。弟を泣かすユウに「お兄ちゃんでしょう」と叱りつける毎日だ。
石橋加奈は、アルバイトを掛け持ちし昼夜働く毎日。もうすぐ借金も完済というとき、弟に通帳を盗まれてしまう。それを目撃していたユウは、口を閉ざして……。
石橋あすみは、専業主婦。穏やかに育てたユウは、優等生で優しい息子だと信じていた。ところがある日、ユウが同級生をいじめていることが判明し愕然とする。
どこにでもいる、私たちと同じ、普通の人でした。
3人の石橋ユウの母親は、環境や性格は違えど、息子を愛す普通の母親だった。虐待などとはまったく縁がないような。
家庭という密室の闇のなか、様々なことが炙り出されていく。
家庭をかえりみない夫。自らをも縛りつける母親だからという呪縛。誰にも理解してもらえない孤独。思うようにならない子育ての難しさ。
超えてはいけない虐待という一線を超えてしまう親が、コロナ禍で増加していると聞く。暴力は、弱い方へ弱い方へと向かって下りていく。
無論、自分より弱いものに暴力をふるう人間を正当化するわけにはいかない。
それでも聞こえてきた。追い詰められた母親たちの叫びが。
3人の女優が好演していましたが、個人的には高畑充希の演技が光っているように感じました。大阪弁がホンマモンだったからかな~
こんばんわ
この映画、気になっていました。
もうとっくに公開されて、今はネットの配信で見られるのですね。
機会があれば、ぜひぜひ見たいなあと思います。
誰もが未経験で必死で、一生懸命で。
理屈ではいかない子育ては、今となっては、いろいろと思うばかりですね。
が、とにもかくにも、自立した大人になってくれたので、まあよしかなあ~というところですね。
高畑充希の大阪弁はほんまもんですね。
尾野真千子は、標準語の役柄だったようですが、彼女もほんまもんの大阪弁を話しますね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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