北風が休暇をとっていたきのうの土曜、庭の落ち葉を掃き出した。
フリースにダウンを着こんでいたのだが、暖かな陽が差し、すぐに汗をかきダウンを脱いだ。庭に溜まった落ち葉に触れると、朝降りた霜はすっかり解けていて、地面さえ温かく感じるほどだった。
落ち葉を掃くと、その下に明るい緑の葉があちらこちらから顔を出した。
落ち葉の布団のなかにもぐり、ぬくぬくと眠っていたようだ。
落ち葉がない場所では、すっかり赤くなっているワイルドマジョラムも、まるで違う草のように生き生きとした緑だ。
春に移植しいくつかの場所に集めたスミレも、まだ元気に緑の葉を広げていた。
芝桜など、落ち葉の下で眠りながら花を咲かせているものもあった。
ヤブランの下に溜まった落ち葉を掻き出したときには、なかから黄色い蝶が出てきて、慌てて熊手を持つ手を留めた。眠っていたのかしばらく動かなかったが、そのうちひらりひらりとどこへ行くのか飛んでいった。
「落ち葉の下は、時間が止まっているみたい」
仮冬眠のようなものかと考える。これから厳しい冬が来て、草たちは枯れて根だけを残し、ほんとうの冬眠をするのだろう。
そう考えて、落ち葉の下にも時間が流れていたのだと思い至る。
時間の流れって不思議だ。自分が見ていない場所では、滞っているかのように感じる。久しぶりに会った友人の子の成長が早く感じるのは、そのせいだろう。逆に変わらないことに違和感を覚えたりもする。落ち葉の下の時間が止まっていると感じたように。
しかし今現在も、世界中至るところで時間は流れている。
キッチンでも、寝室でも、国道を走る車のなかでも、コンビニでも、子どもたちや両親が暮らす東京でも、夫の実家がある神戸でも、先週まで旅していたイタリアでも、そして、庭の落ち葉の下でも。
それが、不可思議なことだと感じたりもする。そして、空を見上げ、考える。宇宙のどこかには、時間が流れない場所があるのだろうかと。
この子が、ヤブランの下から出てきました。
ワイルドマジョラムは、きれいな緑を見せてくれました。
はかなげに咲いていた芝桜。
スミレの葉っぱ。
クローバー・ティントブロンズは、落ち葉のなかから顔を出して。
落ち葉を掃きながら「あ、びっきー!」と一瞬思った石。
茶と黒の背中で、お腹が白いんだもん(笑)
主のいない小屋には、落ち葉のお布団が敷き詰められています。
両隣りの林から降り積もってくる落ち葉の量は、半端じゃありません。
さえさん、こんばんは~♪
イタリアの旅では少し風邪気味だったんですね。
私も温泉旅行から帰ってきてから、珍しく熱が出ました。
微熱程度だけど、熱に慣れていのでお医者さんにも行っていつになくおとなしくしてました。(^^ゞ
びっきーのお家はそのままにしてあるんですね。
私にはそこだけ時間が止まったように見えましたよ。
これからの時期、落ち葉が大変ですね~~
♪落ち葉の舞い散る停車場は・・・ の歌を思い出しました。(・´з`・)
ユミさん
こんばんは~。
そうなんです。ようやく今日治ったかな~って感じなんです。熱は出なかったんですけれどね。
ユミさんもだったんですね。1年の疲れもあるのかな~?おたがいだいじにしましょうね。
びっきーの小屋は、たぶんずっとそのままかな。骨も近くに埋めてあるんですよ。
ほんとう。そこだけ時間、止まっているのかも知れませんね。
今日もまた、落ち葉を掃きました。でもまだまだいっぱい。今年中にと思うとたいへんそうなので、冬のあいだになんとかできればいいかなと思っています(笑)
『終着駅』なつかしいですね~♩
落ち葉の下に流れていた時間。ヤブランの下から出てきた黄蝶のいのちの愛おしいこと!
思いもよらないところでそれぞれの時間が流れていて、命が育まれているのですね。宇宙での時間の凄まじさは想像の極みですが、もしかしたらどこかで、永遠に止まっている場所があるかも、と考えるとまたぞくっとするような心の弾みを覚えます。
このところ親しくなった住吉川清流のほとりの桜が、川にぐいと枝を張りながら、いつまでも紅い葉を残しているのを楽しんできました。なのに道側の枝先がいつの間にか膨らみ始めているのです。2月は下萌えと呼ばれてきたけれど、樹々ははや萌える準備にかかっている、とひとりで感動してきました。
こうして落ち葉の下でひっそりと命を育んでいる草たちも、あなたのカメラでみずみずとモデルになり画面を飾ることになって、恥ずかしそうに、喜んでいるのではと思いつつ。
Yasukoさん
蝶、起こしちゃってちょっと可愛いそうな気がしました。
2月は「下萌え」というんですね。初めて知りました。
わたしも今日、ドウダンツツジの芽が少し膨らんでいるのを見つけて、本格的な冬が来る前にもう春の準備をしているんだな~と思いました。
これからますます寒くなりますね。
温かくしてお過ごしくださいませ。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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