綾瀬はるかがヒロインだから観た映画『はい、泳げません』は、とても切ないストーリーだった。映画『舟を編む』の渡辺謙作監督作品。
泳げない男と、泳ぐことしかできない女の希望と再生の物語
〈cast〉
小鳥遊(たかなし)雄司【長谷川博巳】カナヅチでカタブツな哲学を教える大学教授。
薄原静香【綾瀬はるか】スイミングスクールのコーチ。
ほか、麻生久美子、阿部純子、小林薫など。
〈story〉
顔を水につけることすら怖くてできない雄司は、屁理屈をこね、水を避けて生きてきた。それがある理由でスイミングスクールに通うことになる。
コーチの静香は、さっぱりした性格で雄司を水のなかにぐいぐい誘い出す。
雄司は、水泳に向き合うことで、元妻の美弥子(麻生久美子)との過去や、恋人でシングルマザーの奈美恵(阿部純子)とのこれからなど、現実に目を向けていく。
だが雄司には、どうしても思い出せない記憶があり、そこから前に進めずにいた。
そしてまた静香も、プール以外の場所でうまく生きられなくなってしまった過去を持っていた。
「泳げない」というワードは、コミカルにも聞こえる。
大の大人で健康な男性が言うと、なおさらだ。
シニア4人組のかしましいおばさんたちが、水泳教室のクラスメイトだというのも笑える。
映画は、そんなユーモアを前面に押し出しながらも、人の心の底にある癒えることのない傷や悲しみ、それでも生きていこう、幸せになろうと足掻く姿を描いていた。
主人公は、大学教授。ちゃんとした大人で、仕事もプライベートも、日々様々な問題はあっても、普通に社会生活を営んでいる。
そんな人でも、こんなコンプレックスがある。
いや、きっと誰もが、人とは違うコンプレックスを隠し持っているのだ。普通にみんなができることができなかったり、それを恥ずかしいと思ったり、思い詰めて自分を否定してしまったり。
いつも笑っている口の悪いおばさんたちにだって、描かれていない人生のシリアスな部分がいくつもあるはずだ。
予告編は、こちら。
綾瀬はるかの中性的な雰囲気が好きで、ドラマや映画をよく観ています。
NHKの綾瀬はるかが海外を巡る紀行番組「ハルカカナタ」では、彼女の好奇心の強さ、感受性の豊かさが見えて、ますます好きになりました。
⭐画像はお借りしました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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