年末にいただいたシクラメンが、次々と花を咲かせている。
最初テーブルに置いたときには、まるで人見知りしているかのようにかしこまっていた花たちも、いまや新しい蕾を伸ばし、色づいた花を咲かせるようになり、生き生きのびのびとしている。
「シクラメン」は、春の植物の季語。傍題は「篝火花(かがりびばな)」和名だそうだ。
シリアからギリシアにかけての地域が原産のサクラソウ科の球根植物。春先、ハート型の葉を叢生し、そこから立つ花茎に蝶形の篝火のような花をつける。
『俳句歳時記・春』より。
部屋のことすべて鏡にシクラメン 中村汀女
暗さも明るさも、悲しみも喜びも、という意味が込められているのだろうか。
恋文は短きがよしシクラメン 成瀬櫻桃子
たしかに。と思うのは女性の感性か。
以下は、ネットで調べた句。
シクラメン何支うべくこぞり咲く 楠本憲吉
花々が、それぞれ支え合っているかのようにも見える。
看護婦に歳のさまざまシクラメン 飯田龍太
病院に、明るい色のシクラメンが置かれているのだろうか。
春の季語のシクラメンだが、最近は冬に出回ることが多くなった。
我が家でも、明るいピンクのシクラメンが、花のないこの時期にリビングを明るくしてくれている。
いただいて1週間ほどのシクラメン。まだちょっと人見知りしている感じ。
テーブルの上で新しい花を次々に咲かせている、先週のシクラメン。すっかり馴染んでいます。
ここへ来てから蕾を伸ばし、色づいた花たち。
「スノーリッジマキシ」という品種でした。マキシは「大きい」、snowridgeは「雪の積もる山脈」という意味だそうです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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