夕刻帰るなり、ウォーキングしているお隣りさんから声がかかった。
仕事で東京と明野を行ったり来たりしている、林向こうのお隣りである。
「南瓜いる~?」
「いる~!」
畑を借りて、野菜を作っているとは以前から聞いていた。
畑まで一緒に行くと、その場でいちばん大きな南瓜を採ってくれた。
「大きいな~食べきれるかな」
というと、サラダのレシピを教えてくれた。
「レーズンや梅干しを入れて、普通にマヨネーズで和えるとけっこう食べられるよ」
やったことのないレシピだ。
「大根も間引きするから、葉っぱ持っていって」
言われるまま、両腕に抱えて帰る。
「あ、栗いる~?」
「欲しい~!」
ということで、一度帰って栗を持って訪ねた。物々交換である。
玄関先に咲いている白い花を褒めると、切って持たせてくれた。
「シュウメイギクっていうの。ピンクもいっぱいあるのよ」
「白く咲く花の種類ってたいてい、赤かピンクもあるみたいですよ」
わたしもにわか知識を披露する。ピンクの蕎麦の花を見て知ったばかりだ。
「へぇ、そうなんだ」
夕刻のバタバタした短い時間だったが、物々交換だけじゃなく、たがいの知っていること知らなかったことも交換できた。いい時間だった。
いただいた南瓜と間引きした大根の葉っぱ。
栗も、少しだけもらっていただきました。
きれいな南瓜! 黄色が濃い。
ほっくほく。最近南瓜はレンジでチンの方が美味しいのでそうしています。
塩糖水漬けの豚肩ロースも、レンチン料理の茹で豚にして。カナダ産の安いお肉だけど、やわらか~い。
いただいたシュウメイギクをススキと飾りました。
一重の丸い花びらが、優しい雰囲気です。
翌朝の朝食。お味噌汁に細ーい大根と葉っぱをたっぷり入れました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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