平松洋子の料理エッセイ『忙しい日でも、おなかは空く』の「自分の味を作る」の章に「うぐいすのレモン搾り~ずっとすきな道具」がある。
昭和の香り漂うキッチングッズ、もとい”道具”だ。
生まれ育った実家にもなかったし、家庭を持ってからも、使ったことはない。
考えてみれば、どうして知っているのだろう。
小学校の家庭科室に、あったのだろうか。それとも、古民家のカフェ飯で? いや、ドラマで観たのかもしれない。
思い出せないがしかし、確実に存在も使い方も知っている道具だ。
だからこのページを開いたとき、なつかしい気持ちが溢れた。そして偶然見つけたそれを、連れて帰らずにはいられなかった。
料理エッセイは、こう始まる。
ちょっと古めかしくて、いまどきの洒落た風情はあまりないかもしれない。
そして、ていねいな解説。
背中から尾っぽまでが蓋のようにかぶさっており、上に起こすと内側にくぼみ、そこにくし形に切ったレモンを入れて、蓋をする。レモンを垂らすときには、尾っぽのいちばん先を軽く押すと、くちばしからレモンの雫がぽとぽと。
うん。知ってる。
だけど、使ってみて知ったこともある。
その姿の愛らしいこと。
まったくである。
すきな道具は、いつまでも大事に使いたい。こだわるというのではない。もっと自然に、そばにいるのがあたりまえのように使いたい。きっとそのうち、道具の持ち味が日々の暮らしに溶け込んでゆく。
新参者のうぐいすくん。まだたがいに緊張しているけれど、これからきっと、仲良くなれると確信している。
ただこれ、うぐいすだとは知らなかった。ずっと物語に出てくるような名を持たない小鳥だとばかり思っていた。
夫の写真展に行ったときに、表参道のスパイラルで見つけました。
初おろし。
おなかにレモン入れても、見た目変わりませんね~なぜかラヴィを思い出しました。
梅雨寒の朝に熱いうどん。具は小葱と揚げ玉のみ。
レモン搾りました。口からたっぷりレモン汁が出てくるのが、キュート!
お気に入りの漆のレンゲ。赤と黒のペアです。
お粥のときに使った黒。軽く掬いやすいんです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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