「姫路城」からJR姫路駅へ歩き、駅の近くでお昼ご飯を食べた。

駅ビル「グランフェスタ」には、気軽にランチできそうなお店が集まった地下街があり、定食がいくつか並ぶ「大衆ゆかり食堂」のまえを通った。

「これ、美味そうじゃない？」

夫が、牛スジ肉豆腐定食を指さす。

「じゃ、わたしはチキン南蛮定食にしようかな」

決まりだ。

どこで食べても同じだが、定食のご飯は半分にしてもらう。食べきれないことが多いからだ。

しかし、この「半分」というのが曲者で、実際「半分」になったことは、これまで一度もない。

今回も、お願いした。

「ご飯、半分でお願いします」

女性のスタッフさんが、威勢よく答えた。

「半分？　ご飯、半分ね！」

これまでになく、しっかり確認してくれたので、ちょっと期待する。本当に半分で出てくるかな、と。もしかしたら関西では、半分と言ったらきっちり半分にするのがマナーだったり、流儀だったり、風習だったりするのかも、と。

結果は、普通にご飯一膳がよそってあった。我が家でいうならば大盛りだ。

けれど、先に配膳された夫のご飯を見ると、茶碗がひとまわり大きい。その分、ご飯も多い。

そうか、これがこの店の「半分」か、と半分納得する。

ご飯半分は、とても難しい。足りなかったら申し訳ないという思いやりの気持ちから、そこまで少なくはできないのだろう。

外食なのだから、しょうがない。

食べられるだけ食べてご飯は少し残したけれど、お酢が利いたチキン南蛮はとても美味しく、昭和レトロな雰囲気に心落ち着き、てきぱきと立ち働くスタッフさんは感じのよい笑顔で、満足満腹のいいランチだった。

ちょっと一杯飲みたくなるような大衆食堂で。

夫は、牛スジ肉豆腐定食。

ご飯は、このくらい。

わたしは、チキン南蛮定食。写真だとお茶碗が同じくらいに見えますね。夫のよりひとまわり小さかったんですが。っていうか、鶏肉、でかっ！

この雰囲気、落ち着きました。