「夕飯、何にする?」
この主婦の悩み永遠のテーマについて、平日は適当に考えるのだが、週末は夫婦で考える。
鍋とか、おでんとか、カレーとか、一品料理ならパッと決まる。肉焼く、魚煮るとか主菜が決まれば、それも決まったようなものだ。
しかし、鍋もなあ、カレーもなあ、鶏は昼に食べた魚はきのう食べたということになると、永遠のテーマだけに深い森に迷いこみ抜け出すことが難しくなる。
料理本『バルめし』をめくりながら、冷凍庫に鶏レバーが半パック、ささみが3本あったなあと考える。
「これ、作ろうか」
と、海老のビネグレットソースのページを開くと、いいねという返事。
たまには小皿料理をいくつか作って「バルめし」にしようと、ぶじ迷いの森を抜けだした。
小皿料理をいくつも作るのは、手間がかかる。
けれど、何にしようかとあれこれ考えるのには「心の手間暇」がかかる。どっちがたいへんかは、そのときの体調やバイオリズムなんかによる。
決めてしまえば、あとは手を動かせばいい。その方が楽なときもある。
バルめしの夜、迷いの森から抜け出せたことにホッとして、いくつかのタパスをつまみつつ、夫が注いでくれた白ワインを傾けた。
かなりのレシピを活用している2冊の料理本です。
ポテトサラダは『バルめし』の、茹でレバーは『女ひとりの夜つまみ』のレシピです。生シラスのカルパッチョはネットレシピ。
こちらも『バルめし』のパプリカと鶏ささみのイタリア版南蛮漬け「カルピオーネ」です。
『バルめし』の「芝エビのゴイスアルギ風」は、スペイン、サン・セバスチャンのバル『ゴイスアルギ』のレシピ。
夫が撮ると、わたしのカメラでもこんな写真に(笑)
『バルめし』の写真は、こんな感じでした。材料も揃うものだけで、こだわりもほどほどに。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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